貧しさの大半は自己責任ではない。

この数年発生している失業に起因する貧しさは、決して労働者の自己責任ではなく、主に日銀の責任ですし、日銀法の改正をしてこないでいる政治家の責任であり、増税のために景気回復の妨害をする官僚の責任であります。
なかなか難しいことであろうとは思うのですが、貧しさを強要されている人たちは日銀や公務員の問題に関心を持って欲しいと考えますし、若い人達は選挙に行かなければならないと思います。
何の意思表示もしないで慢然と不満を募らせた結果が、叩きやすい対象である生活保護受給者への悪罵となるのでしょう。*1
生活保護を叩くのには何の知識も努力も必要なく、虚妄の優越感も得られます。
自分より「上」にいる人間を批判するのにはエネルギーが要りますが、「下」の人間を足蹴にすることについては労力がかからず、どうも人間の本性に含まれているらしい差別や虐待への欲求が満たされるというわけです。
自堕落な生活をして結果的に貧しくなっている人も勿論いるでしょうが、そのような人はそれまでも仕事をしてこなかったとか、ギャンブルやアルコールなどに耽ってきて借金まみれだったり健康を害していたりするでしょうから、「まじめに貧乏」な人とは割と見分けはつきやすいでしょう。
ただ、それは現場で生活保護の審査をしている公務員にはわかるでしょうが「生活保護受給者」という「層」を一括りにしてイメージしてしまうと、どうも嫉妬からか、「無責任で無能な連中がカネを無心している」という考えに傾いてしまいがちなようです。
男性の場合は特に、潜在的なライバルである他の男を殺したがる本能的な性質を持っているなどとも言われていますから、合理的な判断よりも動物としての本能からくる衝動の方が容易に噴きでてくるということなのかもしれません。
そもそも貧乏なのが、収入の低いのが本人の能力や生き方だけに帰されるものであるなら、大半の労働者男性の能力や生き方はエスパー伊藤未満だということになってしまいます。エスパー伊東は年収1200万だかあるらしくて、そんなに稼げる人間は一般の働き手の数%しかいない筈ですから。
悪意むき出しで醜い口調で生活保護叩きをしている人たちもまた、エスパー伊藤よりも山崎邦正よりも能力や人格が劣っているということになります。

*1:ただし最近ネットで行われている生活保護叩きは自然発生的なものではなく、何らかの意図をもって組織されているものでしょう。