「今後100年衰退する」は強ち間違っていない

アメリカの次の大統領には正しい経済政策ができる人がなってほしいと思うので、別に共和党が嫌だということは無いのですけれども、これまでの推移を見るとオバマ氏が再選した方が望ましいと考えていて、共和党の候補も対立軸ばかり考えないで米国民や世界の一般市民の事を考えた経済政策を提案して欲しいと思うわけですが、先日のミット・ロムニー氏の「失言」は本質的にはそんなに間違っていないです。
ご当人がどういうつもりで発言なさったのかわかりませんから、本気で軽侮する意図で話したのかもしれませんが、うっかり本音が出たとしたら、日本に関しての認識は結構正しいです。但しオバマ氏の政策で日本のようになるという点は間違いで、アメリカはデフレを回避しています。
もっと有効で大胆な手立てでアメリカ経済を復活させようと主張する人は「日本より酷いのが今のアメリカ」といいますが、これはレトリックと見るべきでしょう。
日本は消費増税を決めてしまいましたし、いよいよ今後20年くらいの間にEU的阿鼻叫喚に陥っていくことでしょう。

「日本は100年の衰退」=共和ロムニー氏がまた失言−米大統領
 【ワシントン時事】米共和党の大統領候補になるロムニーマサチューセッツ州知事は9日、ニューヨーク市で開かれた集会で演説し、「われわれは日本ではない。10年あるいは1世紀もの間、衰退と苦境に陥ってきた国にはならない」と強調、オバマ政権が続けば米国も同様の道をたどるとの認識を示して政権交代の必要性を訴えた。政治専門紙「ポリティコ」が報じた。
 この発言についてポリティコは、近年の日本経済の歩みについて通常言われる「衰退の10年」という表現なら理解できるものの、「1世紀というのは驚きだ」と指摘した。ロムニー氏は7月下旬の英国など3カ国歴訪の際、ロンドン五輪の運営にけちをつけるなどして国内外の批判を浴びており、これに続く「失言」と言えそうだ。 (2012/08/10-14:20)

「1世紀の衰退」が割りと当たっている訳

日本の問題点が財政危機だという意見は多く、それを克服して社会保障を充実させましょうと呼びかけられることが頻繁にありますが、日本を阿鼻叫喚の坩堝に叩きこむのはむしろ社会保障システムの崩壊でありまして、これを場当たり的に取り繕うような愚劣な政策を政治家や官僚が行い続けることが予想されるからです。消費増税はその前兆です。
現在わたしたちは、3人の現役世代で1人の高齢者を支えていますが、2023年には2人の現役で1人の高齢者を支えるようになります。
わずか10年後です
2072年には1人の現役で1人の高齢者を支えなければならなくなります。
そして大体そのくらいの比率が100年後も持続することが予想されているのですが、この事実が意味するのは、
「そんなの無理」
ということであり、社会保障システムその他を変更しない限り日本は確実にクラッシュするのですね。
消費増税社会保障の維持に何の役にも立たないのは明らかですし、不況下の増税によって経済を悪化させることによって崩壊の時期をむしろ早めることになるでしょう。