量的緩和を実施すべし。

財政政策と組み合わせてね。
量的緩和には効果がない」という意見がしばしば見られるのですが、奇妙なロジックも目立ちます。
例えば、『アメリカの量的緩和1で住宅ローン担保証券を買い取って金融危機の根本原因は取り除かれた』が、『量的緩和実体経済に影響を及ぼさなかった』といった主張です。
私にはこの論理が全然理解できないので、支持している結構な数の人たちに解説して欲しいと思いますが、こういう矛盾むき出しの文章を読んで本当になんとも思わないのでしょうか。賛成者の存在自体に疑念を覚えます。
普通に考えると、根本原因が取り除かれたのであれば、それは素晴らしい成果であるはずなのですが…
また、『量的緩和にもかかわらず、失業率は下がらなかった』という主張も見受けられるのですが、失業率が改善するのは経済がよくなり始めてからかなり経ってからが普通です。何かしらの経済政策をして即座に失業率の改善が見られた例は存在するのでしょうか。あれば挙げていただきたいものです。そんな凄い政策があるなら、すぐにでも採用して欲しいですから。
アメリカの量的緩和には、金融政策重視の学者からは批判も多いのですが、例えばそれは、『金融緩和の効果を打ち消すような、準備金への付利を行なっている』というものです。
三つの10月 by Scott Sumner – 道草
連邦準備制度 - Wikipedia
しかし、厳然たる事実として、アメリカは量的緩和によりデフレを回避しています。
日本がだらだらとみっともないデフレを継続しているのもまた厳然たる事実なわけですから、そういった目の前にある事柄を度外視して論をたてる人に対して私はちっとも説得力を感じません。
門外漢である一般の人々に向かって専門用語だのグラフだのでアピールするより、自分が信じる『学問的真実』について、反対する学者と学問的討論をしてみせるのが建設的だと思います。我々一般人は、そういう知的格闘を見てみたいのですよね。
一方的に『こうだ』と決めつけられるのではなく。