国債発行余力とは何ぞや

国債を発行できる余力があと数年しかない、という意見を目にしたのですけれども、これは正確にいうと『国債を国内で消化できる余力』というべきものなのでしょう。
外国人に国債を買ってもらうのは世界では普通に行われていることであるので、外国人が日本国債を買う比率が増える事イコール危機というわけではないだろうと思いますから、言葉は正確に使いましょうと考えはしますが、外国人のカネで財政を支えてもらう構造は確かに不安定要因であります。避けたいことではありますね。
ただ、社会保障がもたない原因が「歳入不足である」としれっと書くことには問題がありますね。
高齢者の比率が増えた、と書いておきながら社会保障がもたない原因が歳入不足であるというのは論理的におかしい。
高齢者の比率が増えて社会保障がもたない原因は、歳出過剰だからですね。高齢者の比率が増えて歳入が減るわけではないのですから。
「親孝行しすぎ」が国を滅ぼす:FACTA ONLINE
注意深く文章を読めば詭弁を見抜くのは難しいことではありません。

生産性の回復に傾斜配分が必要?

これもよくわからない主張です。
なんか専門的であるような小難しい用語をこねくり回すと何故か納得する人も多いので結構通用してしまう書き方なんですが、生産性と配分の傾斜がどうつながるのか説明が欲しいところです。
勤労者が仕事に慣れたり、設備が充実したり、エネルギー効率が上昇したりすると生産性はあがると思うのですが、それと傾斜配分がどう関連するのか全然わかりません。
その昔日本では『傾斜生産方式』というのを確かにやっていたんですけれども、「ある分野に傾斜配分すると経済がよくなる」というのは誰が判断するんでしょうか。
「この分野に傾斜すると成功間違いなし!」という判断ができるエライ人がいるということになるわけですが、そんな偉い人がいるなら今すぐ実行して経済をよくして欲しいんですよね。
そんな素晴らしい能力のある人がいるのにどうして日本は長く停滞しているのか理解に苦しむところであります。