説明したがらない者は胡散臭い。

やたらと喩えや専門用語を連発する者は、読み手を誤魔化す意図をもっていると見るべきです。
『説明しているけれども難しい』という事とは区別しなければいけません。

  • 国際競争力は、交易条件と為替レートに影響される。
  • 交易条件とは或る輸出量でどれくらい輸入できるかという値。
  • 実質為替レートとは、貿易品の値段の比
  • ある商品が日本で10万円、アメリカで1200ドルであり、為替レートが1ドル=100円、つまり1円=0.01ドルであるとする。
  • 日本のパソコンの値段をドルに直すと1000ドルになる。
  • 1000対1200の比は、約0.833。これが実質為替レート。
  • そして日本はいろいろな国と貿易しているので、それらの国々との貿易品の値段の比をとったのが実質実効為替レート。
  • 実質実効為替レートが変わらず、交易条件が良くなれば国際競争力は上昇します。同じ輸出量でたくさん輸入できるようになるということです。
  • 交易条件が変わらず、実質実効為替レートが低くなれば国際競争力は上昇します。日本の貿易品が売れやすくなります。

1985年のプラザ合意後の円高で日本経済が悪影響を大して受けなかったのは、エネルギー資源価格の低下によって交易条件が良くなったからです。
現在は円高の上に交易条件も悪いので『過度の円高』の状態にあり、実際に企業は苦しみ、雇用が振るわないのです。
交易条件はエネルギー資源価格のような、日本側の努力ではどうにもならないことで決まってしまいますが、円高の方はデフレが大きな一因であり、デフレは貨幣的現象ですから、金融政策の誤りから発生しています。
デフレとは『物価がある期間にわたって下落し続けること』ですから、「デフレの原因は物価にあらず」という言い草に定義を当て嵌めると、「物価がある期間にわたって下落し続けることの原因は物価にあらず」ということになりますので、当たり前じゃ、という話になります。
トートロジーというものでしょうか。
1%のデフレでも悪影響は明らかに、現実にあります。給料で買えるモノやサービスの量を「実質賃金」といいますが、現在は90年代より低くなっています。つまり貧しくなっているのであり、これはデータが出ています。「大したこと無い」というのであれば、国民生活に与えている影響が「大したこと無い」証拠を出さなくてはいけません。