日本世論の韓国化

TPPの交渉に入るのかどうかまだわからんですが、反対派は「交渉に入ったら抜け出せずに日本はお終い」と言っているのですから、論理的に考えると交渉に入った時期から反対運動は収束するはずなんですけれども、私の予想では激化すると思います。
多分、韓国と非常に似た展開になるのではないでしょうか。TPPの交渉から国会での批准まで1年かかるか2年かかるか知りませんが、その間激烈な反対運動、政府批判が続くのでしょうね。
この反対運動は非常に奇妙で、反対を唱える人々はひたすら耳を塞ぎながら自分たちの主張ばかり繰り返します。そしてその主張は単なる印象・決め付け・感情的煽り、に終始しており全く具体性がありません。TPP賛成派から具体的な反論が届いているのに皆が全く無視しています。新聞も、テレビも、政治家も、知識人も、本当に皆が無視して鸚鵡返しを続けています。気味が悪いです。
反論を出しているTPP賛成派がマイナーな人なら「そんな人知りません。」という具合に気づかないということもあるでしょうが、TPP亡国論的な主張に逐一具体的に反論を書いているのは、「農協の大罪」というベストセラーを出した山下一仁氏です。この本がベストセラーになった時には新聞でもネットでも書評が出たからそうなったわけで、マスコミも知識人もその存在を把握しています。山下氏は日経のサイトでも連載を続けているのですから尚更です。
にもかかわらず、山下氏の主張をあえて顧みない。その理由はなんなのか。中には山下氏の主張を知っていながら「農業改革はアメリカの陰謀」とかいう意見に変化してしまった人もいます。何故でしょう。
TPPに賛成か反対かが不審なのではなく、その具体的な内容に踏み込もうとせず、交渉自体を阻止=内容が知れ渡らないようにしたい、というのが今の反TPP運動なのです。TPP交渉の内容が具体的に世間に知られること自体を恐れているかのようです。