カリフォルニア米が300円台になるとか本当かなぁ?

多分なにか勘違いをしているような気がするんですよね。中国産の質の低い米ならそれぐらいになるという話は読んだことがあるのですが、もし本当ならアメリカ人は10キロ300円のお米を食べているのでしょうか?アメリカのお寿司屋さんは凄い利益率になりますが…
10キロ300円というと、飼料米の生産者価格より安いのでもちろん飼料米の販売価格よりも目立って安いということになります。
また、輸入配合飼料の販売価格は10キロ400円〜550円だそうで、それよりも安くなりますね。ちなみに配合飼料とはトウモロコシ、コウリャン、大麦、ふすま、米ぬか、油かす、脱脂粉乳、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、魚粉、といったものを混ぜたものだそうです。配合飼料の内訳の半分はトウモロコシだそうですが、このトウモロコシは人間用ではなく家畜用のマズいものです。それよりカリフォルニア米が安くなるとか。うーん。

TPP「将来の日本の『食いぶち』探す入口」きょうは賛成論
2011/10/28 10:22
スタジオ出演したのは元経産官僚の石川和男・政策研究大学院大学客員教授。まず笠井信輔アナが前日のおさらいをした。仮にTPPに参加すると、米国産のカルフォルニア米は778%の関税が取り払われ、現在10キロ3000円が342円の激安に。では工業製品が売れるかというと、円高のうえ、横浜で開かれた昨年のAPEC席上でオバマ大統領の発言を紹介した。


「この地域(TPPに参加を表明している9か国)への輸出を増やすことにアメリカは大きな機会を見出している。今後はどの国もアメリカへの輸出が繁栄の道だとは思うべきでない」


これらデメリットを踏まえて、石川は交渉参加賛成の理由を次のように語った。
「工業製品も1ドル=75円では売れないし勝てない。農産物も関税が下がれば価格面で外国産は強いし勝てっこない。しかし、将来の日本の『食いぶち』を探す良い入り口に立てるのではないかという観点から、TPPへの交渉参加は賛成です。それともう一つ、国内のくたびれた制度を変革させるための刺激になる。このメリットを主体的に見つけていくという考え方で参加するかどうかいま1度議論してほしい」

TPPアメリ陰謀論説について言えば、上記のオバマ大統領発言は「9カ国」となっていますね。日本は入っていません。日本を的にした仕組みを日本を除外して交渉しはじめているのでしょうか。もう9回も話し合いをしているようですが…
また、今の円高は金融政策が間違っているから発生しているのであって、アメリカが金融緩和しているのは決して輸出のためのドル安を狙っているのではなくてデフレ防止策です。あたかもアメリカが輸出倍増作戦のために円高を仕掛けているようなことを言う人がいますが賛成できません。それにアメリカのGDPのうち、輸出の割合は7,9%しかなく、日本よりも低い割合になっています。*1
つまり、アメリカのGDPのうち輸出の占める割合が7.9%、そのうち日本への輸出は5.4%ですから、単純計算すると日本への輸出がアメリGDPに占める割合がメチャクチャ低くなってしまうのですが、それでもアメリカが日本に輸出攻勢をかけて生き残りは図ろうとしているのでしょうか?

*1:しかし「貿易依存度が低いから景気への寄与度も低い」という意見には異論も存在しているので、私も「貿易依存度が低いから貿易を軽視している」とまでは言えません。引き続き勉強ですね。