保管場も一点突破狙いと予想。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建造は相当にハードルが高いので最低でもあと15年くらいは出来ないと思います。根拠は、「場所の選定に早くても数年かかり、建造に10年はかかるから。」です。フィンランドの処分場は建造だけで16年かかっていますから、甘めの予測です。
ですから原発推進派は核燃料の保管場を増設することで時間を稼ごうとするでしょう。増設にあたっては反対意見が当然出てくると思いますが、その時にとる戦術もおそらく今と同じように「原発を止めたら電力が足りない。」というものだと思います。この戦術の有利な点は難しい話は一切なしに国民の利害に直結する内容なので、原発問題に関心のない大多数の人々にダイレクトに訴えられることです。福島事故であんな酷いことになっているのに面倒がって興味を持たない人はたくさんいて、そういう人は当然、電力が足りないような面倒な状況も嫌がりますから、自分に被害が無い限りは「原発動かしとけばいいんだよ。それが現実的なんだよ。神経質になるなよ。」という態度でしょう。
「電力が足りなくなると困るから原発。」というロジックを成立させるには、原発を代替できるような設備が揃っていては困りますから、とにかく原発を動かし続けて代替施設や省エネ慣行をつくらせないようにしなくてはいけません。
原発推進派が理屈ぬきでとにかく「原発を動かせ。脱原発はくだらない。脱原発は非現実的。」と息を合わせて連発するのは、そのような戦略がコミュニケートされているからだと想像します。