汚染水浄化システム停止

1ヶ月に一度交換する予定のフィルターが5時間でおシャカに。

福島第1、汚染水浄化システム停止 運転再開見通し立たず
2011.6.18 09:05 (1/2ページ)産経
 東京電力は18日、福島第1原発にたまった高濃度の放射性物質放射能)を含む汚染水の浄化システムが運転を停止したと発表した。浄化システムは17日夜に本格運転したばかりだった。セシウム吸着装置は1カ月に1度のペースで交換する予定だったが、放射線量が想定よりも早く交換基準に達したため停止したという。運転再開の見通しは立っておらず、汚染水を浄化システムで処理し、原子炉に入れて冷却に再利用する「循環注水冷却」の開始時期のめども立っていない。

汚染水が溢れ出す

ガンダーセン氏が指摘していましたがフィルターの交換がそもそも大変な作業で、人間が近づけないとか。だからマジックハンドでやるらしいのですが、5時間に一遍止めていたんでは汚染水が増える速度の方が早いような気がします。
今回の停止した機械の再開が「一週間かかる」とのことですが、そうなると汚染水が溢れてくるんではなかったのでしたっけ?22日ごろにはそうなるという報道があった気がします。

この期に及んでまだ体面

また、「循環注水冷却」をまだ言っていますが(というか事故の初期にはなかなかこれをやろうとしなかったのですが。何故いつも後追いなのか?)、メルトスルーしていると無理だという指摘をどうして無視するのでしょうか。循環冷却ができる根拠をあげるべきだと思います。常識的に考えて、圧力容器が抜けているのにそれより薄い格納容器が保たれていることはない筈なのですが…
それが彼らの立ち位置なのだから仕方ない発言なのかもしれませんが、ことここにいたっても体面で物事をすすめるあたりは想像を越えています。そうする意味がわからないし、そうすることで事態が更に悪化するかもしれないという現実の危険を無意味におかしてまで体面を保ちたいのか、と思います。世の中はそのようにして保った体面によって動いている部分が多いのかもしれません。だから破綻するのですけれども。

浄化後の汚泥の量は

以前の報道で「汚染水浄化で生じる汚泥は25㍍プール5杯分」と出ていたのですが、それは現存の汚染水が順調に処理された場合ですね。
この汚染水の処理はもしかしたら延々と何年も続く可能性がありますよね、マスコミは指摘しないけど。
もし東電が言うとおり中途半端な所で核燃料が留まっているならそれをなんとかするまでずっと水を入れ続けなくてはならないわけで、そうなれば汚染水はひたすら増加します。処理事業をする側はウハウハですね。宝の山です。原発は利権集団にとっては不労所得の泉でしたが、事故ってもやはり無尽蔵の富(日本が破綻するまでは)を約束してくれるのです。やめられませんな。
それはともかく核燃料を何とかする方策がとられるまで無限に増える汚染水によってでてくる高濃度放射性廃棄物はどうするんでしょうね。処理方法がまだ考えられていないそうですから原発施設内のどこかにためておくのでしょうが、今度は「放射性廃棄物が溢れそうになっています(T_T)」ということになるような気がします。繰り返しますけど、その廃棄物は人が近づけないくらいの危険物です。
こうなるとむしろ地下水までメルトスルーしてくれた方が助かるとも言えます。小出先生のおっしゃるとおり、建屋の周りを囲むように地中へコンクリートの壁を建造して核燃料による汚染を局限し、冷却もムダだからやめれば汚染水の増加も防げます。
ガンダーセン氏によれば地中までメルトスルーした核燃料を取り出す手段は無いそうで、チェックメイトなんですが(^_^;)
10年くらいかけて取り出す方法を開発するしかないとのことで、福島事故は処理だけで10年、悪くするともっとかかるということになります。その後廃炉するとか廃棄物処理場をつくるとかしていれば冗談抜きで100年くらい後始末に追われることになるかもしれませんね。
こんな状況になってもまだ原発推進とか原発再開とか言える理由はなんなのでしょう。