【覚書】津波前から放射線が検出。

津波が来る前に放射能漏れの可能性−地震で既に打撃か(1)
5月19日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所では津波が来る前に放射能が漏れていた−−。東電が今週公表した「事故記録データ」がその可能性を示した。東電はこれまで、3月11日に起きた東日本大震災に伴う津波で冷却電源が失われ炉心溶融で発生した水素が建屋爆発を起こし外部に大量の放射線物質が飛散したと説明していたが、これが根底から覆る可能性が出ている。


  このデータによると、3月11日午後3時29分に1号機から約1.5キロ離れたモニタリング・ポストで高いレベルの放射線量を知らせる警報が鳴った。大津波福島第一原発を襲ったのはその数分後で、原子炉の非常用冷却設備を動かすための電源が失われた。
東電原子力設備管理部の小林照明課長は19日、ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、「モニタリング・ポストが正常に作動していたかどうか、まだ調査している。津波が来る前に放射性物質が出ていた可能性も否定できない」と認めた。


  近畿大学原子力研究所の伊藤哲夫所長(原子力安全工学)は19日、「地震の段階で何らかの損傷があったということは当初から想像はしていた。東電はなぜ2カ月もたってから公開したのかと非常に腹立たしい」と述べた。


  東電はこれまで、原発マグニチュード9の地震に耐え「想定外」の津波放射能漏れの遠因になったと説明していた。福島第一原発事故は過去最悪だった1986年のチェルノブイリ原発事故並みの「レベル7」に位置付けられている。


  地震直後に放射能漏れが起きていたとすれば、「地震大国」日本にある他の原発も安全対策の根本的な見直しが迫られる。伊藤氏は「地震の対策も再度見直す必要がある。福島のような事態を想定して対策をするとなると膨大な建設費がかかる。こういった事態が起きてしまった以上、それが起きないとは言えず難しい選択だ」との見方を示した。


  東電は今週、大震災直後の福島第一原発の状況を数値で示す数千ページに上る文書を公表した。


  東電の松本純原子力・立地本部長代理は12日夜の記者会見で、1号機の燃料棒露出について、「燃料棒が形状をとどめず、下に落ちていることをメルトダウンと定義するならば、その通りだ」と炉心溶融が起きていたことを認めた。


  東電は5日に1号機、18日朝に2号機、同日夕に3号機原子炉建屋に作業員が入り、放射線量などを調査した。いずれも湿気や放射線量が高く短時間での作業にとどまった。
福島第一原発放射能漏れで、周辺住民5万世帯が避難を余議なくされたほか、放射能汚染水1万1500トンを海に放出させたことで漁民や周辺諸国から大きな反発を買っている。


  福島第一原発ではタービン建屋地下、立て坑、坑道などに8万7500トンの放射能汚染水がたまっているとみられ、注水を続けながらの冷却も手詰まり状態になっている。

津波前から放射線が検出されていた。」ことは東電も認めているのに、IAEAへの報告書では「地震が決定的な破壊をもたらしたかどうかはわからない。」という説明をするのだから理解が難しいです。国民が情報間の論理的つながりに敏感になれば変であることがすぐにわかるようになると思いますが。