運任せの原発・・・

福島第1原発 1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
毎日新聞 5月25日(水)2時31分配信
 1〜3号機では水素爆発が発生したが、燃料棒損傷で生じた水素の量を、1号機800キロ、2号機400キロ、3号機600キロと推計した。また、冷却システムが停止し、注水を開始するまでの数時間で、燃料棒を溶融させる3000度近くに達した。吉田正東京都市大教授(原子炉工学)は「最初の対応が将来の何カ月にも影響している」と述べ、東電や政府が日ごろから深刻な事態を視野に入れていたかどうかという姿勢を問題視する。


 圧力容器底部の実測温度は2、3号機で100〜170度、1号機で100〜120度となっている。燃料が溶けて圧力容器の底にたまり少量の水でも冷却されているという皮肉な事態だが、大規模な放射性物質の放出はないと説明する。


 しかし、小林圭二・元京都大原子炉実験所講師(原子核工学)は「工程表は圧力容器の破損を前提としていない。政府も東電も早期収束に躍起で、作業員にプレッシャーがかかる。被ばくして命を削るのと引き換えに早期収束させるのはもってのほかだ」と指摘する。

みんなが「知ってた。」と思いますが、圧力容器・格納容器ともに「健全」ではなかったのですね、元々。
メルトダウン」も3月12日〜15日の時点で推測していた人が多かったでしょうね、テレビに出ていた「学者」以外は。
常識的に考えて、爆発⇒冷却不能メルトダウンが起こらないという結論はどう考えても出てこないわけで、この手の事態では政府・御用学者は必ずウソをつくのですから、問題は情報の受け手たる国民が権威を漫然と信用する習慣を無くすべきだということでしょう。
原発事故のあと、「最悪の事態にはならない。」という宣伝を根拠なく信じる人達が周囲に大勢いてウンザリさせられました。根拠をもって判断する習慣がないんですね。
原発は「少量の水で皮肉にも冷却されている」そうですが、原発なのに運任せというブラックジョークのような事態になっています。
今回の事故でわかったのは、原発が非常事態をむかえても政府・電力会社・原子炉のメーカーともに「状況をコントロールすることも把握することも出来ない」ということです。非常事態に対する備えも無い。
福島以外の原発で過酷事故が発生する可能性は勿論ありますし、発生したら今回と同じようなことになるのでしょう。
彼らは「大丈夫だ、安全だ。」としきりに言ってきましたが根拠は全く無かったというわけです。