ネットを使わないと危険な時代。

ネットは勿論、常に正しいわけではないし、それほど独自の情報が出てくるわけでもありません。
しかし「有用だがマスメディアには載らない情報」にアクセスできます。
以下の新聞記事のような「間違ってはいないが出し方がミスリーディング」という情報にはカウンターになるものが必要なのですが、ネットを使っていないと手に入りません。

<福島第1原発>「地震損傷なし」
毎日新聞 5月23日(月)20時36分配信
福島第1原発2号機の原子炉建屋内=2011年5月18日撮影(東京電力提供)
 東京電力は23日、東日本大震災をもたらした地震発生直後の福島第1原発の初期データを調べた結果、「地震による主要機器の損傷はなかった」とする分析結果をまとめた。

確かに原子炉部分についてはそうでしょう。
しかし「受電鉄塔が地震で倒れて全電源喪失を決定づけた。」ことは保安院が既に認めているのです。
上の毎日新聞を読んだ読者は「原発本体は地震に耐えられるのか。問題は津波なのか。」という間違った印象をいだいてしまい、原子力発電所の危険性を認識できないでしょう。とても危ないことです。
「受電鉄塔の倒壊が電源喪失の決定打になった。」という大変重要な事実はネットを使う以外は「赤旗」か国会の議事録を読まなければ得られないという、情報に関して閉鎖的な状況が日本にはあります。
今福島で続いている世界史上最悪の事故は広範な国土の汚染、懸念される大量のガン患者の発生、経済への計り知れないインパクトといった、日本史上においては元寇や太平洋戦争に並ぶような存亡のかかった大事件なのですが、原発をこのまま容認していけば再び同じことが起こるのです。
元寇から太平洋戦争までは700年ありましたが、原発事故は数十年以内にはもう一度起こる可能性が高いのです。
日本が滅亡しかねないような大事故が我々の息子・娘の時代には早々と起こってしまいかねないのです。
原発に対する認識が甘いままで進んでいけば、そのような自滅的事態を招きかねない瀬戸際にあってのこの閉鎖的状況は「見えない危機」と言えるでしょう。
「マスメディアが正統なメディア。」という「常識」を広く覆さなければ私たちの社会は遠からぬ将来必ず危機を迎えることになります。