「冷却剤」を断った件

これは3月11日の報道ですが…

[ワシントン 11日 ロイター] 米政府高官は11日、東北地方太平洋沖地震で被害を受けた原子力発電所への在日米軍による冷却剤輸送は実施しなかったことを明らかにした。これより先、ヒラリー・クリントン国務長官は、同原発に冷却剤を輸送したと述べていた。


 これについて同高官は、冷却材の供給について日本側から要請があり、米軍も同意し輸送を開始すると国務長官は聞かされていたもようだと説明した。その後、日本側から冷却材は不要との連絡があったものの、国務長官の耳に入っていなかったとしている。

この「冷却剤」ですが、これは実は「冷却装置一式」だったと言われていますね。「冷却剤」という言い方は矮小化されているということです。
そして、冷却装置一式を菅政権と東電が断ったと。
これはいまだに新冷却装置の設置にふみきろうとせず、「既存施設の復旧」に固執している姿勢と軌を一にしています。
そこに何があるのでしょうか。

この時、「政府と東電で出来る」と回答して断ったらしい。
つ・ま・り、「東電が撤退したい」などという「エピソード」とは、最初から今に至るまで、真逆の対応がなされているのです。
東電は撤退どころか、アメリカその他の国際機関の助力の申し出を拒絶し、自分たちだけで問題を独占して、しかも失敗しているのです。
「東電が撤退しようとしたのを止めた菅直人指導力」などという話が本当だとは状況証拠からは到底信じられません。

政府筋「東電が米支援は不要と」…判断遅れ批判


 東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故で、米政府が申し出た技術的な支援を日本政府が断った理由について、政府筋は18日、「当初は東電が『自分のところで出来る』と言っていた」と述べ、東電側が諸外国の協力は不要と判断していたことを明らかにした。


中略


 政府・与党内では、政府の初動対応について、「米側は早々に原子炉の廃炉はやむを得ないと判断し、日本に支援を申し入れたのだろう。最終的には廃炉覚悟で海水を注入したのに、菅首相が米国の支援を受け入れる決断をしなかったために対応が数日遅れた」(民主党幹部)と批判する声が出ている。


後略


(2011年3月18日15時11分 読売新聞)