産経の記事は物語調で面白い

官邸機能せず(上)「開かずの扉」のその奥は…


2011.4.10 00:29 (3/7ページ) 産経新聞


もう1人、頻繁に首相と会っている男がいる。内閣情報官・植松信一。官邸の裏通路を使い首相執務室に出入りするので新聞などの「首相動静」に載ることはないが、週に2〜3回は報告に入っているという。


 植松の報告で菅がもっとも神経をとがらせているのは政界の「菅降ろし」の動き。次に気になるのは内外メディアが自らをどう報じているかだという。


 ある官僚は執務室に山積された新聞や雑誌の切り抜きを見て愕(がく)然(ぜん)とした。記者団のぶら下がり取材に応じないどころか、災害対策基本法に基づく中央防災会議さえ開こうとせず、執務室に籠もって一人で新聞や雑誌を読みふけっていたとは…。そこに未曽有の国難にどう立ち向かおうかという発想はない。


■「現場見てないだろ」


 「どんなことがあっても原発の異常を食い止めるんだ。みんな覚悟はできているだろうな!」


 3月11日午後4時25分すぎ。東電福島第1原発の異常を伝え聞いた菅は、首相官邸地階の危機管理センターから執務室に移ると、官房長官枝野幸男ら官邸スタッフを前にこう命じた。鬼のような形相に一人はこう感じた。「死者が出ることを覚悟しているな…」


 東工大応用物理学科卒で「ものすごく原子力に強い」と自負する菅はさっそく執務室にホワイトボードを持ち込み、原子炉の格納容器への海水注入などを次々に指示。午後10時に経済産業省原子力安全・保安院から炉心溶融の可能性を指摘されると菅は12日午前1時半に炉内の蒸気を排出するベントを急ぐよう指示した。

産経は菅首相批判の立場ということを割り引いても、物語として面白いですね。
原発の状態があんな調子じゃそんな呑気なことも言ってられないのですが…
1号機が再臨界したあげく水蒸気爆発なんてことになれば関東もダメになるわけですから、他人事のように語っていられる状況ではないのですけれども、とりあえずは普通の生活をするしかないのでイマイチ現実味に欠けるという…