吉村昭 覚悟の死

2006年7月に亡くなった作家、吉村昭さんの妻で、作家の津村節子さん(82)が、夫のがん発病や闘病生活、死に至るまでをつづった私小説「紅梅」を7日発売の文芸誌「文学界」5月号に発表する。最愛の夫を失った悲しみを作家の目で見つめた作品は、話題を呼びそうだ。


 「紅梅」は、原稿用紙240枚。舌がんと判明した吉村さんが、親しい知人にすら病状を伝えぬまま、同年の新年の日記に「これが、最後の日記になるかもしれない」と書き、闘病中に「いい死に方はないかな」とつぶやくなど、気丈に死の不安と闘う姿を描く。また、胸に埋め込んだカテーテルポートを自ら引き抜き、覚悟の死を遂げた様子も克明に記されている。


 文学界の舩山幹雄編集長は「震災で多くの方が亡くなられた今、人間の命について考えさせる作品を読んでほしい」と話している。


(2011年4月6日 読売新聞)

吉村昭さんの作品には今回の災害に関係したものがあるそうで…

三陸海岸大津波 (文春文庫)

三陸海岸大津波 (文春文庫)

今度読んでみようと思います。