太平洋戦争にまつわるインボー論。

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「インボー」などと書くと淫靡に感じられて面白いですが特に意味のない表記です。
ネット界では愛国者と左翼の死闘が日夜繰り広げられているわけですが、愛国的主張をする人々にしばしば見られる主張に、「太平洋戦争は○○の陰謀」というものがあります。
○○にはアメリカ、中共コミンテルン、(国内の)共産主義者、ドイツ、などが入り、いかに大日本帝国が困難な状況にあったか感慨深いものがあるわけですが、こういった陰謀論を一笑に付す前にこの分野でもちょっと知識を広げることが大事です。
断っておきますが私自身は「日中戦争と太平洋戦争は大失敗だった」と思っており、失敗の原因がいろいろあるにせよ繰り返さないためには「日本の失敗」として捉えるべきだと考えています。仮に陰謀が存在してもそれにひっかかってはイカンという立場です。敵の策謀にまんまと足をとられるようでは貧弱ぅなのです。


さて、「企画院」という機関が戦前にありました。ここは総力戦にそなえ、ソ連ナチスの経済を研究して統制・計画経済の研究にあたったお役所です。「国家総動員法」は学校で習うので有名ですが、ここで立案されたものです。
国家総動員法については名前だけ丸暗記というアホ教育を未だにやっていますが、これは戦争遂行に必要な物資・人員などを議会を通さずに調達することを可能にしたものです。(つまり民主的統制が出来ない。政治家が関われないから、戦争政策は「独立」なわけ。)
戦時統制経済というのはおおまかにいうと社会主義独裁に似てます。政府が経済をコントロールしてしまいます。だからスターリンを参考にしたんでしょう。
昭和初期は共産主義者の大量転向が起こり、これもガッコのせんせーやマスコミでは「思想弾圧の暗黒時代」という流れで語るだけなんですが、興味深い続きがあるんですよ奥さん。
企画院の前身を「内閣調査局」といいましたが、ここは治安維持法で検挙されたことのある旧左翼が官僚として登用されていたんですね。スターリンを参考にするのだから合理的なんですけれども、これの意味するのは「日本の総力戦を遂行するための立案は治安維持法で検挙されるくらいのゴリゴリの左翼がやっていました マル」ということなんですね。
こういうこと書くとソースは?と詰問されるのですが、堂々と書けますよー。

詳説日本史研究

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受験参考書です。ちなみに山川の教科書の方にはこの記載が無いんですよね。こういう気の利いたことを何で授業で広く教えないのでしょうか。日本史を選択した受験生の中でも特に歴史マニアじゃないとこんな参考書買わないでしょう。(つまり日本の教育では授業だけだと肝心な内容が学べないということね。)
もちろんこの参考書で「だから陰謀だ」と言っているわけではありません。でもちゃんと書いてくれる所が素敵。「理解力があるなら行間を読めよお前ら」というメッセージでしょう。
つまり、「太平洋戦争に共産主義者が関わっていた!!」というのは陰謀論でもトンデモ論でも何でもなく、受験参考書にもあられもなくデローンと何もかも丸出しで横たわっている事実に過ぎないのです。
しかしそれでも「それは軍国主義に強制されたことだ!!」とまたもやエクスクラメーションマーク連発で叫んだりされることもあると思いますので更に事実を指摘いたしますと…


要するに、戦時統制経済の流れに便乗して日本を社会主義化したろうという意思があったわけですよ。
自発的に戦時体制に協力する動機があったのです。戦争に協力する動機がね。
別に陰謀でも何でもなく、左翼は日本を社会主義化したかったのですから論理的帰結でありますわね。
現代の左翼が「俺たち一貫して平和主義者・平等主義者・弱者の味方・被弾圧者」と臆面も無く連呼していますが、受験参考書に載るレベルの事実によって速やかに否定されうる寝言です。
このように、知識を大量に得ることは決して「意味のない丸暗記・本見りゃわかる下らん作業」などではなく、重要な物事の判断に役立つ道具になり得ることなのです。「使えない知識」というものはあまりなく、「そいつが知識を使えないバカ」ということに過ぎません。
マスコミが「知識型勉強」を殊更に否定する動機も推測すると興味深いですね。
まあ皆さん、ご一緒に学びましょう!!(6個目)

*1:「国防の本義と其強化の提唱」のこと。計画経済を採用して総力戦体勢を整えた軍国国家になりましょう、という内容。