公務員が国民への差別を奨励しても良いか。


毎日新聞に載った記事です。話題になりましたね。

都内のPTA団体などが3日、都青少年健全育成条例改正案の成立を求める要望書を都に提出した。石原慎太郎知事は「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」と応じた。

「同性愛者がテレビに出るのは野放図。」という発言は、「社会道徳上、同性愛者をテレビに出すべきではない。」という意味だと思うのですが、これは公務員が国民への差別を奨励した事になるだろうと思うんですよね。
まあ別に権力を使って強制的に同性愛者をテレビから排除したわけじゃないので、法律上も憲法上も問題ないのでしょうけれども、公務員の癖に憲法の理念に反する事を堂々といえるというのはいかがなものかと思います。(憲法には同性愛者に関する言及はないでしょうけど。)
このおっさんいや、老人いや、方の危険な所は、「ある種のことは考えずに判断してよい。」というメッセージを発信し、考えるのを嫌う大勢の人々に根拠なく熱狂的支持を受けるという点です。
もちろん、自覚的にそのような手法を用いるのでしょう。
「人を殺すのが良くないのは当たり前」「エロが悪いのは当たり前」「同性愛が異常なのは当たり前」と、他者を一刀両断で断罪するのは気分が良いものです。思考する必要もないので楽チン。
なんの理由も資格もなく優越感に浸れて便利です。
日常生活上の屈託を、何の努力も責任もなくスカっと晴らせるという点がこの人が差別的な発言を繰り返しているにも関わらず大人気な理由なのでしょう。
聞いていて気分の良いことばかり言う政治家を考えもなく支持してブーメランが返ってくるのは東京都も国政も同じですね。
いくら無茶苦茶言う人間が知事でもたとえば東京都の大学教授などには批判もできないでしょう。むしろ媚びないとね。