昭和の戦争

昭和の戦争―保阪正康対論集

昭和の戦争―保阪正康対論集

目次

vs半藤一利 「対米戦争 破滅の選択はどこで」
vs伊藤桂一 「一兵士が見た日中戦争の現場」
vs戸部良一 「統帥権が国を滅ぼしたのか」
vs角田房子 「帝国陸軍軍人の品格を問う」
vs秦郁彦  「南京と原爆 戦争犯罪とは」
vs森史郎  「『特攻』とは何だったのか」
vs辺見じゅん戦艦大和の遺訓 歴史は正しく伝わっているか」
vs福田和也 「ヒトラーチャーチル昭和天皇
vs牛村圭  「東京裁判とは何か」
vs松本健一 「近代日本の敗北 昭和天皇の迷い」
vs原武史  「昭和天皇 未解決の謎」
vs渡辺恒雄 「『戦争責任』とは何か」

チャーチル

P146

…先日ロンドンに行って、財務省の地下にあるチャーチルの戦時指導部を見たのですが、正直驚きました。デパートのワンフロアぐらいのスペースで、六畳一間ぐらいのベッド部屋がズラッと並んでいるんです。要するにチャーチルは閣僚、参謀クラスから幕僚クラスに至るまで部下たちとここで寝起きを共にし、二十四時間体制で戦時指導を行っていた。日常生活全体が戦争指導、という体制をとっていたのですね。

日本

P154

…海軍士官だった実松譲が1942年の夏、ワシントンから日本に帰国して、海軍省の明かりが夜になると消えているのを見て愕然としています。ミッドウェーの年ですよ。国の命運を賭けた戦いをしているときに、海軍省の明かりが定時に消えてしまう。チャーチルの戦時内閣とは比べようがない。