フィンランドの子はなぜ賢いのか 応用力が世界1位
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712060047.html
フィンランド政府とともに高齢者福祉のプロジェクトを進める仙台市。市産業振興事業団の小笠原宏晃・プロジェクト推進室長は「教育はすべて無償だから、親の経済力によって勉強できないことがない。そういうこともつながっているんでしょうか。税金は高いですけど」と話す。
いやー、日本の義務教育だって無償ですし。やろうと思えば日本でも良い教育をやれるのにやらない学校が多いだけでしょ。
「調べ学習」とか言っちゃって、班決め⇒調べ⇒発表⇒班決め⇒調べ⇒発表…なんて無限サイクルを繰り返してたら学力なんて上がるわけないでしょ。
読書による教育成果
っていうのはあるらしいですね。自分は子供のころから本が好きなので、否定したくなるような見解じゃないです。
ただねー、こういうのって「良質な読書が優秀で健全な子供を育てる」っつー話になりがちなのでうんざりなんですけどね。
「良質な読書」を前提に作っているから日本の国語教科書はつまんなくて、その結果読書嫌いを増やしていると感じてますから、フィンランドの真似して読書教育に力を入れたら、更に本嫌いを増やすと予想します。
良質な読書⇒教育成果っていう根拠を明確には出せないドグマの延長線上にケータイ小説批判があると思います。ドグマだからなぜ「レベルが低い読書」は駄目なのかが説明できる人はいないし、どういったものが「レベルの低い本」なのか説得力をもって示せる人もいないのです。
みんなもっともらしいことばかり言うけど
日本の大人はフィンランドの子供たちが優秀なのは「立派な文化財」を摂取しているからだ、という方向に話をもっていきます。本当にそうなんですかね?向こうの子供たちが普段読んでいるものを調べたのかな?
普通の人間的な感覚からいって、日常的にそんなとりすましたものばかり読んだり聞いたりしているとは思えないんですが。
フィンランドに見習え、っていう風潮によって益々日本の社会がつまんなくなる危険性を感じるので、ひとつの反証を示しておきましょう。
http://www.lily.sannet.ne.jp/midorikawa/finland.htm
2ちゃんねるで冗談半分に言われてましたけど、北欧でヘヴィメタルがさかんなのはホント。昔から有名。
ホラホラ、下劣低俗低脳の代名詞みたいなヘヴィメタルですよ。侮蔑と迫害の対象たるメタルですぜ。
それをフィンランドの子供たちも聞いているわけですよ。そしてメタルバンドを結成する若者もいたりするわけです。
音楽は勉強の成績とは直接の関係はないですけれども、成績優秀な子供たちを生み出す国でも所謂「良質な文化財」にばかり囲まれているわけじゃない、ということが言いたい訳です。
単に教える方の問題では?
日本の教育が暗記偏重、という批判は今だにあるのですけど、その手の批判からゆとり教育の悪夢が始まったのですから、そろそろそのパターンの批判は諦めたら?と思います。
日本は漢字文化圏なので、勉強のし始めが漢字の暗記で始まります。だから暗記批判をするのは無理なんですよ。もし批判するなら字も書けない人間を量産することになります。ゆとりで実際にそうなりかけてるでしょ。
暗記そのものが悪いというより、暗記する意味を教える方も理解していないことが問題なのでしょう。
歴史の年代暗記が無意味とかいいますが、そんなことある筈ないのです。事象の歴史的な位置づけを把握するのに年代暗記をしなくてどうやるんですかね?
そうじゃなくて年代暗記で受験突破すれば良いという日本的な功利性が問題なんだと思います。教える側が、ある事象が歴史の流れの中でどう意義づけられるのかをキチンと教えれば良いだけです。
また、入試問題を作る側も、棒暗記で合格できる試験を作るのが悪いのです。理解が伴わなければ解答できないように作ればいいだけでしょう。
結局、子供の問題というより、大人の問題です。