飢饉の規模


Famine - Wikipedia
現代では救援食料を配布する政府と非政府組織が、食糧危機に際して同時発生するさまざまな状況に取り組むための特別の手段を用意している。食糧危機の深刻さをどの次元に位置づけるか、という問題に対する多様な方法が、もっとも効率よく救援食料を届けるために使われている。このような手段の中で最初期のものは、1880年代にイギリスによって定められた、インドにおける飢饉へ対処する条例である。

その条例は飢饉の程度を、「食糧難に近い状態」「食糧難」「飢饉」と列挙している。この条例は、その後の飢饉への警報や飢饉の程度を測るシステムを構築することに対して大きな影響があった。ケニヤ北部のトゥルカナ族の住む地方を監視するために開発された早期警報システムにもやはり3つの段階があるが、危険を軽減したり危険の悪化を防いだりするために、それぞれの段階を計画がなくとも発動できる対応に結び付けている。

飢饉救援組織の、1980年代と1990年代の世界にまたがる経験は、少なくとも2つの大きな成果に結びついた。
「生計手段を与える方法」と、危機の深刻さを決めるための栄養状態を図る指標をより頻繁に使うことの2つである。食料が不足する状況にある個人や集団は、己の小さな耕地を売るようなやぶれかぶれの方策に出る前に、配給に頼ったり、収入を補う代替手段を見つけようとする。

すべての自助手段が尽きたとき、影響を受ける人々は食料を求めて移動しはじめたり、大量飢餓の犠牲者へと完全に陥ったりする。飢饉はこのように、市場や食料の値段、社会的支援の構造を含んだ社会的現象として、ある程度はみなされるのである。2つめの教訓としては、飢饉の深刻さを定量的に測定するために、栄養状態を迅速に、特に子供たちに関してさらに頻繁に予測することである。

2004年以来、世界食料計画やアメリカ国際開発局のような、飢饉救援に関する最重要の組織の多くは、飢饉の激しさと規模の5段階測定を取り入れている。飢饉の激しさを測る等級は、生計手段の状況や死者数、子供の栄養失調を測って、状況を「食料が確保されている状態」「食料が不足する状態」「食糧危機」「飢饉」「深刻な飢饉」「大飢饉」に分けている。死者数により飢饉の規模は決まり、1000人未満の死者なら「小規模飢饉」となり、100万人を越えるようなら「破局的な飢饉」となる。