飢饉の影響


Famine - Wikipedia
飢饉が人口統計に与える影響は著しいものがある。死亡数は子供と老人に集中する。インドやパキスタンでの飢饉のように、記録された飢饉ではすべて、男性の死亡が女性のそれを上回っている。普段は男性の方が長寿の傾向があるようなところでもあてはまり、それが人口統計の示す一貫した傾向である。

この理由は、栄養不足のプレッシャーの下で女性の方が強いということと、野生の食料や備蓄食料を集めたり調理したりすることに長けているという事実によるのかもしれない。飢饉はまた、出生率の低下を伴う。飢饉は人口を再生する中心になるものを残す。大人の女性である。人口内での他のカテゴリーに属す人々より大人の女性は影響をうけにくいゆえに、飢饉後の時期には増加した出生率による「リバウンド」が特徴的であることが多い。

飢饉が人口の規模を獲得可能な食料資源とつりあいをとって減少させることをトマス・マルサスの理論によって予見できるかもしれないが、実際には最悪の飢饉ですら、数年以上も人口の増加を弱めることはまれである。1958年〜1961年の中国や、1943年のベンガル、1983年〜1985年のエチオピアにおける死者数はいずれもたった数年にわたる人口増加で補填されている。長期にわたる人口統計への影響がより大きいのは外部への移民である。アイルランドの人口が減ったのは主に、1840年代の飢饉後の移民によるのだ。