リフレ派の転向、リフレ政策の放棄が明らかに


転向というのは、財政政策を金融政策よりも重視する方向への転向。
これは私が中傷しているのではなく、ご本人たちが言っていることです。

この動画の最後の方で、「クリストファー・シムズ」という経済学者の名前を出てきていますが、またも新ネタを繰り出して人びとを惑わせようという悪意が読み取れますし、ほとんどの人はシムズ氏の理論の中身まで検討して高橋洋一氏と浜田宏一氏が新たに言い出したことへの支持を決めようとは思わないでしょうから、簡単に丸め込まれてしまうでしょう。
「新たに」というのは、「以前と主張がまったく矛盾する形で変わった」という意味です。
つまり転向。

ムズ氏の理論:FTPL(Fiscal Theory of Price Level)

これは、「インフレは貨幣的現象ではなく、財政的現象である」というもので、貨幣の発行が無くてもインフレが発生するとしています。
金利を金融政策によって固定し、財政拡大によって物価上昇を目指すので、貨幣の果たす役割はありません。
従来のリフレ派の主張とはまったく違うものであり、今の安倍政権・黒田日銀の政策はシムズ氏の理論を政策に反映したものだと言えますし、要するにリフレ政策を放棄したということであります。
私が良くないな、と思うのは、リフレ政策を継続していると見せかけながら、実はまったく異なる政策を黙って導入したことであり、また、実証の裏付けのない理論をまるで子供の思いつきのように政策にそのまま反映させたという危険きわまりない態度についてです。
シムズ氏の理論は、理論としては面白いのかもしれませんが、現実に効果があるのかどうか、有害でないのかどうかはまったく未知数であり、失敗すると国民がひどい負担をすることになります。
安倍政権も、そのアドバイザーも軽薄すぎます。
FTPL(Fiscal Theory of Price Level)を巡る論点について