財政政策が成長を妨げる


四半期GDPの二次速報がでました。
設備投資が一次速報より良かったことによって、成長率はまだマシな数字になりました。
実質で年率0.7%だそうです。
1〜3月期は年率2.1%でしたから、大幅な下落ですね。
3月くらいから補正予算の執行が行われますが、そのように財政出動される時期にGDP増加率が下落するのは、アベノミクスの期間を通じて恒例になっています。
日本・GDP2次速報値|経済指標|みんかぶFX
気になって過去のデータも見たのですが、4〜6月期にGDPが下落するとは限りませんでした。必ずしも、下落する時期ではないということ。
安倍政権は2012年度から毎年補正予算を出していますが、判で押したように4〜6月期にGDPが下落しています。
2014年は消費税の影響ですが。

間住宅と輸送用機械が増加

在野リフレ派をはじめとする積極財政主義者は、「マイナス金利は効果がない」とか「むしろ緊縮的」などと主張していましたが、民間住宅と輸送用機械が大幅に増加しています。これは、マイナス金利を活用してローンを組んでいるからです。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_2.pdf
二つの項目とも、この1年を通じて突出して高い数字を出しています。
全体として良い材料のなかった4〜6月期にあって、これだけ高い数字が何の理由もなくあがるということは考えられません。
このような事実に対して在野リフレ派をはじめとする積極財政主義者はもちろん無言。
政府がカネを借りて支出しなくても、マイナス金利が拡大すれば投資は増えるという証左。
積極財政主義者は、「民間に資金需要がないから政府が借りるのだ」と何とかの一つ覚えのようにデマを流していますが、この指標を見ればわかるとおり、民間に資金需要はあります。
おカネを借りずに家や車を買う人はいません。
財政が金利に上昇圧力をかけなければ、マイナスの自然利子率に直面する企業も、もっと設備投資したでしょうに。
家計と違って企業は採算の見込みのない投資はできませんから。
マイナス金利の継続を発表したユーロ圏の四半期GDPですが、日本よりよほど安定しています。
ユーロ・実質GDP(速報値)|経済指標|みんかぶFX
「マイナス金利は緊縮的」と主張していた在野リフレ派の「理論家」は、このような事実に対しても、もちろん無言。
都合の悪い事実に対しては無言で対処するのが在野リフレ派をはじめとする積極財政主義者の特徴。
マイナス金利政策を日本に紹介している論者にツイッターで直接絡まれても無言で逃げ回るのが在野リフレ派。
日本の財政赤字はGDP比で5%ほどありますが、アメリカは4%ほど、イギリスは3.2%ほど。
両国の四半期GDPは、やはり日本よりはるかに安定しています。
アメリカ・実質GDP(速報値)|経済指標|みんかぶFX
英国・実質GDP(速報値)|経済指標|みんかぶFX
アメリカもイギリスも、リーマン直後からみると、大幅に緊縮財政を行っていますが、それによるGDPへの悪影響は見られません。
財政はGDPの増加率とあまり関係ありません。
この点でも在野リフレ派の主張は単なるデマであることがわかります。