「緊縮財政」で回復しつつあるユーロ圏

同じようなエントリをアメリカについて散々書いてきたのですが、ユーロ圏についてもデータがけっこう溜まってきたので、そろそろ書いていいだろうと思いました。
回復といっても弱いものなんですけれども、「緊縮財政」をしていてもプラス成長をしているのは確かです。
「緊縮財政」をするとマイナス成長に陥るとか、経済の回復はできないとかいう話はデマカセであります。

ポルトガル昨年第4四半期GDPはプラス、投資落ち込む
リスボン 29日 ロイター] - ポルトガル国家統計局(INE)が発表した、2015年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、前期比0.2%増となった。輸出が伸びた。
【略】
前年同期比では1.3%増えた。速報値の1.2%増を上回った。
2015年の成長率は1.5%増と、前年の0.9%増から加速した

イタリア第4四半期GDP速報値は前期比0.1%増、予想下回る
[ローマ 13日 ロイター] - イタリア国家統計局(ISTAT)が発表した2015年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増と、ロイターがまとめたアナリスト29人の予想(0.3%増)を下回った。輸出は増加したものの内需低迷が重しとなった。
前年同期比では1.0%増加した。予想は1.2%増だった。
15年通年は営業日数調整後で前年比0.6%増となった。イタリアにとっては3年に及ぶリセッション(景気後退)後、初のプラス成長となる。

おや、「緊縮財政」を何年も続けてきたのに、ここへ来てどうして初のプラス成長となったのでしょうか?
金融政策以外に要因があるのでしょうか。

フィンランド第4四半期GDP改定値は+0.1%、通年もプラス成長
ヘルシンキ 29日 ロイター] - フィンランド統計局によると、2015年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%増でプラスに転じた。年間でもプラス成長となり、3年連続の縮小から抜け出した
【略】
統計局によると、第4・四半期GDPは前期0.1%増で速報の0.1%減から上方改定された。2015年年間は0.4%増。

第4四半期のギリシャGDP改定値は+0.1%、上方改定
アテネ 29日 ロイター] - ギリシャ統計庁は29日、2015年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値を前期比0.1%増と発表した。速報値は0.6%減だった。前年比では0.8%減で、速報の1.9%減から上方改定された。

ギリシャもユーロ圏では最悪状態ながらも、改善していますね。「緊縮財政は人を殺す」とかいう話はどうなりましたか?
金融政策で救えるような気がしますが。

第4四半期の仏GDP改定値、前期比+0.3%に上方改定
[26日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が発表した第4・四半期の同国の国内総生産(GDP)改定値は、前期比0.3%増だった。

スペインの2015年成長率は3.2%増、07年以来の大きな伸び
マドリード 25日 ロイター] - スペイン統計局が25日発表した2015年通年の国内総生産(GDP)確報値は3.2%増と、金融危機前の07年以来の大幅な伸びを記録した

2016年のユーロ圏成長率は1.7%・17年は1.9%=欧州委経済予測
ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州委員会は4日、冬季の経済予測を発表し、ユーロ圏の経済成長率は2016年と2017年にやや加速するとの見方を示した。ただ、2016年の成長ペース予測は下方修正した。
2016年の域内総生産(GDP)伸び率は2015年の1.6%から1.7%に、2017年は1.9%に加速するとした。

ユーロ圏全体だと経済成長率は1.6%。弱くはありますが、そんなに悪くもない感じですね。
ユーロ圏は失業率についても、この一年、継続的に下がりました。
各国経済指標・FX統計データ | 外為情報ナビ | FX 外為どっとコム
「緊縮財政」がユーロ圏の不況の原因だと、有名無名ふくめて財政推しの人たちは散々主張してきたわけですが、強烈な「緊縮財政」が続いているのに、どうして一貫して経済が好転しているのでしょうね?
「金融政策だけでは経済は回復しない」はずなのに、「マイナス金利は効果無い」はずなのに、不思議なことですね。
財政推しの人たちが、こういう情報を100パーセント無視するのはわかりきっているんですけれども、ほとんど全先進国圏の事実によって財政推しの主張が否定されているのに、同じ主張を言い張れる神経が理解できません。