マイナス金利だから国債増発?

国債金利がマイナスの今こそ国債を増発しよう」という意見がチラホラ見られるのですが、どうしてそうなるのか意味が分かりません。
国債金利がマイナスだと、償還が国民負担でなくなると思っているのでしょうか?
金利がプラスであろうとマイナスであろうと、償還は国民負担に決まっているわけで、虚空から財源が生じてくるわけではありません。
日銀が買い取るのだとしても、インフレ目標なり名目GDP目標なりの上限が決まっているのですから、無限に国債を発行してよかろうはずがなく、必要がなければ発行するべきではありません。
国債金利がマイナスだと財政再建が進みやすいというだけの話であります。
財政推しをする人たちに必要なのは、財政出動をすることが景気に有効であると示すことです。
もちろん、多くの人が信奉しているケインズ主義では「財政出動は有効」と教えられているわけですが、それはその学派でそのように教えているというだけの話で、正しいということにはなりません。
現実には財政を出しても景気が良くならない、逆に財政を引き締めても景気が悪くならない証拠が複数挙がっているのですから、そのへんについて整合性のある説明を試みるべきでしょう。
現状、財政推しの人たちは、そのへんの作業を全く省略して、自分たちの結論だけを反復して唱和しているだけであります。
何の説得力もありません。