四半期GDP前期比中心の報道は不適切では?


4〜6月期の四半期GDPが発表されまして、このデータを気にしすぎるのは良くないと知りつつも、「そんなに悪くないんじゃないの?」と思いました。
今回下がった主因は輸出が下がったということなので、それは日本の政策でどうにかなるもんでもないです。
二次速報でどうなるか、やっぱり気にしてしまいますが、四半期GDPは以前ほどネタにしなくなりました。
金融政策がきちんと行われる前はネタが欲しかったんですけど、今では金融政策が軌道にのっているので必要ないんですよね。

期比中心の報道の問題

四半期GDPはそれ自体あんまり意味のあるものではない、ということを一般に知らしめるのが本質的には大事なんだろうと思いますが、そうは言っても報道されてしまいますし、「GDPは1年分が出るまで待ってからみて、それまではコンポジットインデクスを観察するのが望ましいです」と一般の人にメディアが伝えてみても、ややこしくて了解してもらえないでしょう。
「GDP」という名前がついている以上、一般的には「景気をはかる重要な指標」と思われてしまう現実をふまえたとき、非常に問題になっているのが前期比だけ報道する方法だと思われます。
今回、四半期GDPの前期比年率が下がったことを受けて「景気後退だー!」という騒ぎが少し発生しているわけですが(2chを見ているとそれほど話題になっていませんし、株価も上昇しているので、一般的には大して興味をひいていないようです。景気に問題を感じていない人が多いのかもしれません。)、四半期GDPの前期比が下がったことが景気後退だとすると、景気後退を避けるためには四半期GDPの前期比が永遠に上がり続けなければならず、そんな急速な経済成長ができる夢の世界はいくらアベノミクスが正しくても無理ですし、そんな状況を生み出せる国は存在しないと思います。
マスコミが騒いでいるのは、四半期GDPの前期比だけ報じれば、アベノミクスを貶すことが容易にできて便利だからで、まぁ確信犯的にやっているのでしょう。
また、率だけ見ると前期比をみて「景気後退だー!」と焦ってしまいがちになるので、実額を合わせてみるべきだと思います。
今回の結果も実額を見れば、「景気後退?」という感じになります。