有名人によるリツイートの効用


飯田泰之氏のこんなツイートが。


興味深いのは消費税に言及している部分。
これは、使い方によっては消費税が肯定できるというものです。
以前わたしは、原田泰氏が消費税を肯定している文章に反発したことがありますが、そのときには反証があったから反発したのですが、飯田氏のこの考えは試してみないと分からないというものなので、判断できません。
消費に悪影響を与えないで、税制の穴を埋める機能をうまく果たせる税率が考えうるのかもしれないと思いますが、やってみないことには分かりません。
そういうことよりも興味深いのは、飯田氏のこのツイートが結構リツイートされているという点でして、しかも批判が行われておりません。
ふだん、消費税にちょっとでも肯定的なことを言おうものなら非難の雨をふらせる人たちが何も言わずリツイートしている様子は面白いものです。
浜田参与に対する態度とは好対照であって、浜田参与が「消費税を上げるなら法人減税するべきだ」とか「軽減税率を導入するべきだ」と言うと、「浜田は消費税を肯定している!」と皆さん大騒ぎになるのに、飯田氏のツイートに対しては無言で支援していますね。
どうしてでしょうね。
以前からわたしは、浜田参与に対して人々が浴びせている非難は誤読や曲解に基づくものだと感じていましたので、浜田参与を擁護してきました。
浜田参与の意見にわたしが全面賛成するわけではありませんが、全部肯定できなくても、それほど非難するほどのことではないと思うからです。
原田氏をわたしは批判しましたが、その後も原田氏の著作は購入していますし、それだけのことで非難を繰り返すということはしません。
ただ、それって普通のことですよね?
わたしの目から見ると、浜田参与にことさらに非難を浴びせる人々の態度は奇異に見えてきましたし、今回の飯田氏に対する手のひら返しを見ていて、さらに奇異に感じました。
どうしてこのような矛盾が行われるのだろうと考えてみたのですが、浜田参与と飯田氏のちがいは、「ツイッターをしているかどうか」なのだと思いました。
飯田氏のような有名人に気に入られたら、自分のツイートをリツイートしてもらえるかもしれないじゃないですか。
そうしたら自分のフォロワーが増えて、他のツイッター民から一目おいてもらえて、嬉しいじゃないですか。
そういう可能性を消費税を巡る青臭い議論で潰したくない、という世渡り感覚なんだろうと思います。
浜田参与が今後非難をかわしたいなら(別に気にしないのかもしれませんが)、ツイッターを秘書かなんかにやらせて、たまに一般人の気の利いたツイートをリツイートしてやればいいんですよ。
そうすれば人々は、「リツイート既得権」に反応してむやみな批判をやめますよ。
人間はインセンティブに反応する、というのが経済学の教えですが、要するに個人の利害で黒も白という人が世渡り上手だということです。