緊縮財政を金融政策で平然と乗り切るアメリカ(現在進行形)

けっこう色んなところで言及されて二年くらい経つ話題なのですが、日本で話し合われている様子を見たことがない不思議なテーマです。
世間では緊縮財政をすると必ず不況に陥るとか、金融政策では相殺できないとか、なんの根拠もなく語られていますが、緊縮財政を金融政策で乗り切った実例があります。
それは、量的緩和期の日本と現在のアメリカ。
量的緩和期の日本について、「小泉が緊縮財政をしたからデフレが悪化した」とウソをついた財政重視派の人がいますが、こういう話は、主張ではなくデータを見ましょう。
小泉政権は2001年から2006年。
日本のインフレ率の推移 - 世界経済のネタ帳
また、「現在のアメリカが調子よいのは、大して緊縮財政をしていないから」というウソをついた財政重視派の人もいましたが、こういう話は、主張ではなくデータを見ましょう。
アメリカの財政収支の推移 - 世界経済のネタ帳
次のPDFは50ページ目をご参照。
http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa14-02/pdf/s2-14-1-2-1.pdf
アメリカはリーマンショックの時に財政収支が大幅に悪化しましたが、それ以降、基本的に緊縮財政をすすめていますし、特に2013年は4000億ドルの緊縮です。
この額は、額だけ見れば、日本における2014年の消費増税の緊縮を上回る程度のものです。
そのような状況でのアメリカの名目GDP成長をご覧下さい。
アメリカのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳
なんの問題もありませんね?
「景気後退する」というケインジアンの予測は外れたんですね。
この点についてアメリカでは散々突っ込みが入っているのですが、日本ではそういう話はぜんぜんでません。
不健全きわまりないです。
一方、一貫して緊縮財政をして、デフレに陥りつつあるユーロの財政収支。
http://www.am.mufg.jp/text/20140516rinji.2pdf.pdf#search='%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD%E5%9C%8F+%E8%B2%A1%E6%94%BF'
緊縮の仕方はアメリカと同じようなものなんですね。
それなのに、この差はどうして生まれたんでしょうね?
緊縮財政が原因でないことは確かですね。
金融政策の違いが関係ないなら、原因はなんでしょう?
念力?