渋谷区がホームレスを排除

ホームレスへの炊き出しを妨害するために、渋谷区が公園を封鎖するとのこと。
東京・渋谷区の公園の封鎖と、フランスや英国、アイルランドでのホームレス排除または支援について
公園は税金で運営されている、誰でも使えるスペースのはずなので、一部の人の価値判断で封鎖してよいものかどうか、と思います。
ホームレスが焚き火をするわけではなく、支援する人々が炊き出しをするのですから、料理をするイベントやキャンプと同じでしょう。
炊き出しイベントの主催者はホームレスではなく支援者なのですから、渋谷区は特に何の問題もなく生活している日本国民を差別したことになると思うのですが。
リンク先の記事を読むと、今の渋谷区長や区議は問題がある人たちのようなのですが、彼らはホームレスを公園から排除して、社会問題が改善すると考えているのでしょうか。
渋谷区の公園から排除しても、それは目の前から去らせただけにすぎず、ホームレスたちはほかの場所に移動するだけです。
渋谷区は他の自治体にホームレスを押し付けたいばかりに公園を封鎖したのだろうと思われます。
やる気がないというか、無責任というか、こういう人たちが税金で高給を得ていて良いものなんでしょうか。
こういう人たちはホームレスを野良犬と同じように見なしているのかもしれませんが、そういう認識では対処できないということが分からないのかな?
いくらホームレスとは言っても人間であることには変わりないので、野良犬を死なせるような扱いをすることは本来なら許されないはずですし、公務員は憲法を守る義務があるのですから、ホームレスを死に追いやるような振る舞いは憲法の考えに反しているはずなんですけれども。
また、ホームレス支援者に対して差別的な扱いをしていることについても、憲法の考えに反しているはず。
路上生活している人たちが迷惑だ、という気分はもちろん理解できますし、そのように意見表明する自由はあるわけですが、だからといってホームレスの存在を消去することは許されません。
それが野良犬とは違うところであり、安易な解決法をとることができないところ。
仮に日本全国の公園からホームレスを排除したとしたら、彼らはそれこそ路上にいるしかありません。
街中のベンチを寝ころべないように改造したら、道端や川原など、町のそこかしこの隙間にいるしかありません。
人気のないところでは食料の調達などができませんから、山奥に引っ込むわけにもいきませんし。
そうなると普通の生活をする人たちと日常的に接しているしかないわけで、ホームレスが嫌いな人にとっては逆効果になると思います。
クレームはそれまで以上に出るのでしょうが、もうそれ以上どうしようもありませんね。
行政がホームレスを全員収容できる施設や広場を作るのも一つの手でしょうが、それはそれで近隣住民は反対でしょうし、ホームレス自身もそんなところには寄り付かないかもしれません。
自由な社会では、転落する人々をそのまま見捨てる自由が行使されていますが、転落した人々がそこに存在しつづけることを否定することもできません。
もうそれ以上どうしようもないことについて文句を言っている状況です。
そんな状況下で渋谷区は、自分たちだけが面倒から逃れようというエゴでホームレス問題を他に投げたに過ぎません。
渋谷区の公務員は頭の悪い税金泥棒であることが分かったことだけが収穫といえましょうか。
ホームレス自身が行政の施設に来たがらない以上、問題を根本解決することは難しいと思いますが、一般市民からホームレスが嫌われないようにする仕事くらいは行政がやれば良いと思うんですけどね。
食料や衣服を配り、シャワーを浴びせてやり、といったこと。
文句をいう市民も当然出てくるはずですが、そういう人たちに問題解決の知恵があるわけでもありませんし。
いくら普通の生活をしている人々でも、今の社会のルール上、どうしようもないことについてワガママを押し通そうとしているだけの声に配慮しすぎるのは公正でないと思います。