消費税をあげない政治勢力はいるか
夏以降の関心事で大きなものが今年は幾つもありますが、そのうちの一つは当然消費税ですね。
消費税が景気に対して有害で、財政上の必要性も無いことは明らかなので、2015年の消費増税は中止するべきであります。
ただ、現実的に考えるとそれは難しいと思います。
私の推察に過ぎませんが、黒田氏が日銀総裁になり大規模金融緩和をする交換条件は、二度の消費増税を確実に行うことだったのだろうと思われます。黒田総裁は、自分の守備範囲でないにも関わらず、消費増税の擁護を本業の金融政策よりも熱心に行っています。消費税を擁護するあまり、追加金融緩和すらやらない姿勢です。
与党・野党・マスコミ・日銀・財界がすべて消費増税に賛成している状況で、安倍政権がそれを覆すというのは考えにくいことであります。
国民の支持をアテにしてやったとしたら、その後は官僚機構とマスコミによる総攻撃を受け続けることになり、「みんなの党」がやられたような「スキャンダル」の発覚が続出して政権維持が不可能になるのでしょう。
そう考えると、今年冬前まで消費増税反対を言い続けるのが必要であるとしても、関心は代替策、つまり消費増税の悪影響を相殺する金融緩和が行われるかどうかに移さざるを得ません。
その意味では、次の消費増税を実施したとしても、消去法で安倍政権を支持することになります。
ほかの政治勢力が官僚に対抗して消費増税に反対出来るのであればそちらを応援しますが、そんな政党は一つも思い浮かびません。
もしかしたら「みんなの党」は本気で対抗するかもしれませんが、官僚側もそれを分かっていたからこそ、先に潰したのでしょう。みんなの党が与党になる可能性は、残念ながら無いと思います。個人的には今後もみんなの党に投票しますが、いつまで党が保つかが焦点となるような状況です。
共産党や社民党も一応は消費増税反対勢力ですが、彼らはそもそも自由経済に反対していますから、政権をとったら今以上に官僚機構を肥大させて統制経済にはしることが明白です。市民的自由を重んじる立場からは共産党や社民党は論外であります。
安倍政権が消費再増税を行った場合、今回の増税を決めたのが安倍政権でないのにも関わらず、国民はそんなことは忘れていますから、支持率は大きく低下するでしょう。総裁選や次の選挙では厳しくなると思います。安倍政権の存続はできなくなるとみるのが常識的です。
(そう考えてみると、安倍政権は憲法改正はもう諦めたのでしょう)
こういう苦しい状況を何とかするには、やはり金融政策で乗り切ること考えるしかないですね。
インフレ目標値を引き上げるとか、超過準備への付利を撤廃するとか、NGDPLTを導入するとか、日銀法を改正するとか、そういったことです。