公設民営の何が悪いのか?
某芸能人は、「公立学校に公設民営方式を持ち込むと教育を壊しかねない」と書いていますが、いつものことながら根拠薄弱ですな。
特に、株式会社が学校教育という「ビジネス」を提供するとなると、「利益」を生み出す教育の方向に進む可能性があります。と言いますか、進むでしょう。
そして、「利益追求」と国民の豊かさを追求する「経世済民」は、必ずしも一致しないのです(常に一致しないわけではありません)。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11902502900.html
「『利益』を生み出す教育の方向」って何なんでしょうね。具体性がないので何が言いたいのかわかりません。
一つ思うのは、教育分野もやっぱり既得権なんですよね。
第一次安倍政権のころの教育改革に対しても、学校の先生たちが物凄い反対論を語っていたのを思い出します。
教職については安倍政権よりあとの時代に、いっそう参入障壁を高めたりもしていましたから、自民党の腐敗政治家と既得権のツーカーというお馴染みの風景でもありました。
某芸能人が公立学校を擁護するのには非常な違和感をおぼえるのですが、その理由は、公立学校なんて左翼の牙城じゃないか、と思うからなんですよね。
今の教科書や公立校の教師の言説はまことに酷いものですよ。
私は実例をいくつも知っていますが、ここで書くことはできません。話の出どころが分かってしまいますから。
某芸能人の場合、この分野でもどういうわけか、左翼政党がいいそうなことを率先して述べているのであります。
民主主義のプロセス
怖いのは、教育の「根本」を変えかねない公設民営学校が、「国家戦略特区」と文部省により、国会議員による議論なしでなしくずし的に進められている点です。同じ問題が、現在は経済政策、労働規制緩和、一部産業の規制緩和、混合診療導入などにも見られます。
すなわち、民主主義のプロセスが無視されているのです。
このロジックも某がよく振り回すものなんですけど、どこがプロセス無視なのか全然理解できません。
産業競争力会議が何と言おうと、決定するのは国会議員なのですから、形式上は民主主義にかなっています。
「形式上は民主主義にかなっている」ことに問題が無くはないのですが、それが間接民主制なのだから仕方ないという面もあります。
消費増税に賛成する国民はあまりいませんが、実際には国会議員の手で決められ、実行され、経済に打撃を与えています。こういうバカな政策も、形式上は民主主義にかなってしまっているのです。
この問題は某が言うほど簡単な問題ではないので、話を馬鹿みたいに単純化して人々を煽るという悪質な手法は放棄するべきでしょう。
国土強靭化にも公設民営の波が
某は公設民営に反対していますが、某自身が紹介していた、国土強靭化基本計画の理念にも公設民営の推進は謳われています。
[理念]
○国土強靱化の基本目標
<1>人命の保護
<2>国家・社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持される
<3>国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化
<4>迅速な復旧復興
○災害時でも機能不全に陥らない経済社会システムを平時から確保し、国の経済成長の一翼を担う
〔基本的な方針等〕
○依然として進展する東京一極集中からの脱却、「自律・分散・協調」型の国土の形成
○施策の重点化、ハード対策とソフト対策の適切な組み合わせ
○既存社会資本の有効活用等による費用の縮減
○PPP/PFIによる民間資金の積極的な活用
○PDCAサイクルの繰り返しによるマネジメント等
〔特に配慮すべき事項〕
○オリンピック・パラリンピックに向けた対策等
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/06/05/fujii-93/
PFIとは|日本PFI・PPP協会
PPPやPFIを導入する、という部分だけは私は評価していたんですけどね。
某やその周辺は、国土強靭化基本計画のこの部分を批判しないのでしょうか?