「既得権が公共機関をハイジャックする」

クルーグマン教授による記事。
ポール・クルーグマン「世襲富豪の問題:マンキュー論説の批判」 — 経済学101
私は「マンキュー経済学」で勉強させて頂いているので別にアンチではありませんので、一応ことわっておきます。
この記事のなかで私がいちばん感銘したのはこの部分。

ここで興味を引くのは,保守派の経済学者たちも「規制の虜」が危ないのをよく承知してるってことだ.規制の虜になると,公共機関が既得権にハイジャックされる.彼らは集中した富によって民主制度がハイジャックされる問題は,本質においてこれに等しい.でも,それを承知していながら,保守派経済学者たちはのんきに無視してる(または言及することすら拒絶している).ぼくは,規制の虜をかなり深刻に考えてる.でも,「金権主義の虜」もそれと同じくらい深刻に考えてる.そして,資本蓄積の便益が労働者にトリクルダウンされるって主張したところで,この問題に取り組めはしない.

「規制の虜」という言葉は外国でつくられたものですが、日本でそういった表現がないのは、それが当たり前だから問題だと思わない人が多いのでしょうね。日本では広範な分野に特権階級が存在することが制度的にも規範的にも当然のこととして定着していますし、今もそれは拡大中ですからねぇ。
そういうことをしているから一般国民の生活は貧しいのですし、財政負担も増加するのですけれども。
三橋貴明はこの記事をよく読むことですね。ふだんクルーグマン教授の名前を使って商売しているのですから。