竹中平蔵が人件費を削る?

「激論コロシアム」の収録が5/10にあって、そこで三橋貴明竹中平蔵が共演するようです。
竹中平蔵氏と価値観 | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
三橋はふだん、「パソナの経営者である竹中が、個人的利害のために政策を歪めているのではないか」という名誉毀損ものの非難を浴びせていますから、この際その辺も突っ込んだ話をすると良いと思います。竹中本人に面と向かってそれを言ってみるべきでしょう。陰でこそこそ悪口をいうべきではありません。
三橋の得意技は文章の中にしれっと間違いやウソを混ぜ込むことですが、この日のエントリでも怪しいところがありました。

ところが、この状況で、竹中氏を中心とする路線、すなわち、
「グローバル市場を獲得するための国際競争力強化」と
 いうお題目の「価格競争力強化(=人件費削減)」に邁進してしまうと、日本は「利益」ばかりが重視され、国内の文化・伝統・歴史がグローバル化の波の中で消えていき、最悪、環境が中国ばりに破壊され、さらには安全保障すら自国では維持できない国に落ちぶれているでしょう。

竹中が人件費削減を推進している、とのこと。
竹中平蔵は時によって意見が変わるので、もしかしたら現在はそういうことを言っているのかもしれませんが、この間買った竹中の本を確かめてみると、「アベノミクスの成否は賃金上昇にかかっている」と発言していました。
「2001年ごろに労働分配率が高くなりすぎて企業が弱った」とは書いていますが、それを下げたのは竹中でも小泉でもなく、負担に耐えられなくなって解雇や減給にふみきった企業たちですから、竹中が批判される筋合いではありません。
ちなみに高度成長期の労働分配率は50%台で、60%を超えたのは高度成長が終わった73年です。なんのことはない、景気が悪くなると労働分配率は上がるのです。つまり、粗利が減って給料が下がらないから企業の負担が増すというお話。労働分配率が高ければ良いというものではありません。ここでも額と率の区別が重要。
今の状況について竹中は、「賃金を上げても大丈夫なマクロ環境になってきたのかもしれない」と言っており、民間の人件費を削れ、なんて発言はしていません。
しかし、竹中が削れと言っている人件費は確かにあって、それは地方公務員の人件費です。
この辺にふれないのが実に三橋貴明らしいのですが、既得権益層に仕え、既得権益層への批判を先に立ってつぶしていく役割を忠実に果たしているといえましょう。
何というか、三橋が擁護している既得権益の種類が多すぎて呆れてしまいます。農業・電力・公共事業・労働、と全部既得権益じゃないですか。
「よしよし」してくれる相手がたくさんいることですわな。