タクシー公定幅運賃は愚策

官僚よりも、政治家よりも、タクシー会社の社長さんの方が経済をよく分かっているという好例。

「値上げ強制は損害」 500円タクシー、国を提訴
柳谷政人2014年4月29日05時03分 朝日新聞
 格安運賃で営業するタクシーに国が是正を求めている問題で、初乗り500円の「ワンコインタクシー」を営業する「ワンコインドーム」(大阪市西区、吉岡和仁社長)は28日、「値上げ強制で重大な損害が出る」として、国を相手取り、運賃の変更命令や車両の使用停止命令を出さないよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 過当競争の是正などを目的に改正タクシー適正化・活性化特別措置法が1月に施行され、国が定めた公定幅運賃(大阪府内で中型初乗り660〜680円)が4月から義務化された。
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訴状では「ワンコインブランドが消滅して顧客離れを起こし、営業利益が大幅に低下する」としている。吉岡社長は「利用者の利益を考えていない。憲法が保障する『営業の自由』に反する」と述べた。

官僚よりも、政治家よりも、タクシー会社の社長さんの方が憲法の理念をもよく分かっていらっしゃるという…
タクシーの運賃を公定してもタクシー会社が儲かるわけではなく、タクシー運転手の雇用が増えるわけでもなく、利用者の便利度が上がるわけでもなく、自由権を政府が何の理由もなく侵害しているだけで、メリットが何もない愚策です。
官僚が民間に口出しする理由を与えるだけの、珍しいくらいバカげた法律です。
裁判所の判断にはあまり期待できませんが、この社長さんには頑張っていただきたいと思います。