本日のコメント対応【藤井聡】

果たして日本は過剰なインフラ、アメリカは過小なインフレと言い切れるのでしょうか?
まず日米では災害のリスクが大きく異ることは自明ですし、平地の少ないこの国は道路一本でもアメリカよりもよっぽどめんどくさいです。
そういう状況がありますから、必ずしも予算ベースで比べるのは適切では無いと思います。
クルーグマンアメリカに限らず日本にも同じ提案はしていますしね。

日本のインフラが過剰な理由とは、今から20年経つとインフラの維持費だけで手一杯になり、新設ができなくなるという予測があることです。
インフラのメンテナンス費が16兆円に - Maddercloud
多すぎます。

補修だけでなく改良も必要になりますね。
例えば新幹線は、将来的には上位互換であるリニア新幹線に移るでしょうし、自動車社会そのものが変容していく可能性もあります。
日本だけが高度なインフラ技術から取り残されるわけにもいきませんし、むしろ戦後日本はインフラトップランナーで輸出国でもありますから、この優位は活かしたいところです。

インフラの補修と更新は大変ですよ。
毎年8.1兆円の更新投資が50年必要公共事業拡大では解決しない“朽ちるインフラ”問題――東洋大学教授 根本祐二 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
毎年8兆円しか更新投資しないと仮定すると、未来永劫それを続けなくてはならなくなります。

拠点都市への集住には私も賛成ですが、それをするにも土建屋が必要です。
コンパクトで快適で安全なシティーには高度な技術力と資金の注入が必要なのは間違いありません。
その拠点都市の維持補修改良から有事の救援復旧作業までを見越す必要があるかと思います。

コンパクトシティ建設投資なら良いでしょうね。費用便益分析でも合格するでしょう。

田中秀臣さんのリフレ派一覧が出てきました。 なかなかおもしろかったです。

田村秀男は外すべきだと思いますけどね。

何が無駄で何が無駄でないかというのが難しいところですね。
道路一本でもダム一つでも、それが本当に必要かどうか、客観的基準で判断するのはなかなか難しい。
色んな指標はありますが、完全な指標もありません。

費用便益分析が普通の方法でしょう。
「無駄な公共事業」をストップさせる方法がある!(ドクターZ) | 現代ビジネス | 講談社
しかし、それに必要な基礎資料が出されないのが問題。

この部分での話は、物価に影響をあたえるか・・・という論点なので、それが長期的に続くか、一度のみかはあまり関係ないと思いましたが。
とりあえず1か2かを確認しておきたいです。
そもそも個別価格の変化も継続的に続くものが多い(特に資源価格は)ので、一度のみってことはそうそう無いと思いますが。

インフレ率が上がることと所謂インフレは違うということです。
インフレ率が下がること自体がデフレとは言われないのと同じです。
原油価格が上がればインフレ率が上がることもありますが、インフレ率が持続的に上昇しない限りインフレとは言いません。
持続的にインフレ率が上がるとしたら、その原因は貨幣にあります。
原油価格が上がり続けたとしても、その結果経済活動が低迷すれば他のモノゴトの価格が低下しますから、持続的にインフレ率が上がるとは限りません。

一年も統計発表は遅れませんし、そもそも市場は期待で動くとされているのですから、
MBが今後も安定的に伸ばされていくという宣言が出た時点で予想インフレ率は変化するはずです。
中央銀行のMB発表からチンタラ動いてる投資家など見たことがありません。
確認のために聞いておきますが、MBとBEIの統計発表が「どの程度」遅れると考えておられるのでしょうか?

「MBが今後も安定的に伸ばされていくという宣言が出た時点で」というフレーズ、これは良いフレーズ。なかなか出てこない。
しかし、「確認のために聞いておきますが、MBとBEIの統計発表が「どの程度」遅れると考えておられるのでしょうか?」というのはいただけないですね。岩田副総裁はマネタリーベースの統計発表の遅れを考慮して、一年前のマネタリーベースが予想インフレ率に影響すると仮定した、と明記してグラフを載せた、という経緯は先日のエントリに書いたと思います。
私の考えが問題ではないのです。
ただ、予想インフレ率が即座に反応する場合、それは実際のマネタリーベースを見ているのではなくて、中銀が今後買い入れ続けると約束した資産の額の予測に対してだろうと思います。これは私見なので経済学とは思われませんよう。

職業問わず見て、今まで家事をしていた女性が労働市場に出てくると、賃金の下方圧力はあります。
私は労働市場のパイの拡大と同時にやるなら大賛成ですが、そうじゃないなら慎重です。
有害とまでは言いませんけど、先に働き口のイスを増やしたほうが健全かと思います。
あと家事労働軽視っぽい姿勢が社会の風潮にあるのもどうかなと考えてますね。
女性の活用というと、家事子育てやってる人が活用されてないみたいな言い方ですし。

「パイの拡大」が金融政策だというのが私の立場です。
需要を喚起するのが金融政策、生産力を向上させるのが構造改革、この2つの組み合わせが名目GDPを成長させるという考え方です。
浜田参与的、マーケットマネタリスト的な視点です。