藤井聡はリンク切れを直して下さい

ユーロ危機と超円高恐慌 日経プレミアシリーズ

ユーロ危機と超円高恐慌 日経プレミアシリーズ

データに基いて誠実に他人を批判すると自任する京大教授・藤井聡先生が岩田規久男副総裁を批判する根拠として挙げておられるリンクがまだ、切れております。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2014/02/sangiin_h26_2.pdf
京大教授ともあろうお方が、論拠のリンク切れに延々と気づかないというのも不思議な話ですが、単純ミスはアインシュタインにすらあることですから、藤井教授にあったとしてもおかしくはないのでしょうね。
早く直して下さい。
藤井先生の主張を要約すると、「リフレ派は自説に都合がよいようにデータをカットして提示している」ということであり、その一例として岩田副総裁が、「マネタリーベースと予想インフレ率の関係」を示す際に2009〜2012年までしか挙げていない、とおっしゃっておられました。
岩田副総裁といえばリフレ派の代表格として知られる方ですから、この批判は重く受け止められなくてはなりません。
もし恣意的にデータをカットして世間に見せているようなら、リフレ派の主張の根幹が問われることになります。
私としても高い関心を抱かざるを得ない事柄ですから、藤井教授の批判の根拠となっているデータをぜひ拝見したいと考えています。
チャンネル桜の討論では、フリップでどーんと提示されておられたのですから、いつでも出せるデータなのだと思います。
この動画の42分40秒から。

だからリンク切れを早く直して下さい。
ただ私は自分で確認しましたが、岩田副総裁の三冊の著書、「デフレと超円高」「ユーロ危機と超円高恐慌」「リフレが日本経済を復活させる」に示されたデータを全て合わせると、日本で予想インフレ率が出るようになった2004年から、日銀副総裁になった前年の2012年までの期間を通じて、「マネタリーベースと予想インフレ率の関係」が説明されています。
「マネタリーベース統計発表の遅れを考慮した」とも明記していますので、遅れが有ることを「出したり引っ込めたり」もしておりません。
全ての期間にわたって説明がなされている以上、どの辺にデータの恣意的なカットがあるのか分かりませんでしたので、この疑問を解くためにも、リンク切れを早く直してほしいと思います。

概念「建設業界でのデフレ」

【藤井聡】「建設業の供給力不足」についての「事実誤認」 | 「新」経世済民新聞
三橋貴明とも共通することなのですが、京大教授である藤井聡先生が、まさか、まさか、価格と物価を混同しておられるのではないかと思われる一節が上記のメルマガには登場してしまいます。

建設業界におけるデフレ脱却を企図するためには何が必要かと言えば,各企業が「適正な利益を」上げる事ができ,労働者の賃金が上昇していくことが必要であり,そのために,業界の様々な実情を踏まえた,きめ細かな是々非々の対応が不可欠だ,ということになるでしょう.

藤井先生がおっしゃられる「建設業界のデフレ」というのは、予定価格が業者の見積もりより低い、ということを表しているのでしょうか?
そうだとしたら、とてもおかしな理屈ですね。
藤井先生は上に引用した部分のなかで、「建設業界におけるデフレ脱却を企図するためには…労働者の賃金が上昇していくことが必要であり」と書かれています。
しかし、業者の見積もりが予定価格を上回ってしまうのは、業者のコストが高くなっているからであり、その一因は労働者の賃金が高くなっているからですよね?
藤井先生の理屈に沿うなら、労働者の賃金を上げると「建設業界のデフレ」が悪化するはずなのですが…
まるで矛盾しているように読めてしまうので、分り易い説明を求めたいですね。

局、供給力を増やすべきなのか、減らすべきなのか

上記メルマガから引き続き引用。

(「建設業界におけるデフレ」対策として)
(対策3)安易に,安い外国人労働者を,建設現場に導入することを避ける.
そもそも,「安い外国人労働者」を大量に建設現場に導入すれば,建設業の労働市場でさらに「デフレ圧力」が強力にかかってしまい,日本人の労働賃金はさらに低下してしまうでしょう.そうなれば,現在の職人さん達の収入が減るばかりではなく,職人さん達は建設業からますます離れ,人材不足問題は,さらに深刻なものとなっていくでしょう.

ふーん。人手を増やすと「建設業界におけるデフレ」が悪化するといいたいのですね。へぇー。
しかし藤井先生は、しばらくしてから次のように書いてしまうのですね。

さて,以上に述べた行政上の取り組みと並行して,やはり,建設企業内の「技術者」を増やしていくこともまた,当然ながら,必要です.
そしてそのためには,各企業がじっくりと「人材育成」を行い,土木工学を大学や高専で学んだ新卒の学生を「雇いあげていく」ことが不可欠です.

なんじゃそりゃ。
結局増やすんじゃないですか。
藤井先生の物言いは、「外国人はダメだが日本人は良い」と読めてしまいますよ。
それはまるで人種差別じゃないですか。
京大教授ともあろうお方が人種差別などするはずがないので、これはきっとわたくしの誤読であろうと思いますがね。
で、メルマガの結びはこんな感じ。

(対策5)「長期的な公共投資計画を,政府がしっかりと提示していく」という事が重要となるでしょう.
そうなれば,建設供給力はますます上昇していくこととなり,復興も防災も,オリンピックの準備等も,強力に進めていく事が可能となるでしょう.そして何より,洪水,大雪,土砂崩れ,地震津波等の天変地異が起こった時に,各地の建設業者が的確かつ迅速に対応していくことも可能となり,我が国の国土は,抜本的に強靭化されていくことも可能となるでしょう.

ほえ?
供給力をふやしたら、「建設業界におけるデフレ」が悪化するのではなかったのですか?
藤井先生は土建業界の規模を大きくしたいのですか?小さくしたいのですか?
先生の文章は矛盾だらけで全く理解できません。
京大教授がまさか馬鹿だということはないと思いますので、普通のロジックで理解可能なように、供給力を増やすと「デフレ」が酷くなるのか、ならないのか、はっきりしてください。
ちなみに私の理解ですと、本当の意味でのデフレは貨幣現象ですから、先生や三橋貴明がいうような供給うんぬんとは関係ない話です。
供給が増えても手持ちのお金があれば、他のことに消費しますから、物価は変わりません。
物価は、です。価格じゃありませんよ。