田村秀男のでまかせが目に余る

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140223/fnc14022308280005-n1.htm

昨年、消費税増税を渋る安倍首相に踏み切らせようと企んだ財務省は、まずは公共投資の大幅な上積みを認めて、増税の判断基準になる4〜6月の成長率をかさ上げし、さらに住宅などの駆け込み需要を演出した。

ダウトー。
2013年の成長率と公共事業の関係は次のとおり。
実質GDP伸び率
1〜3月期は年率換算で4.1%
4〜6月期は、3.8%
7〜9月期は、1.9%
公共事業
1〜3月期⇒前期比0.4%増
4〜6月期⇒4.8%増
7〜9月期⇒6.5%増
公共投資拡大⇒GDP伸び率減少 - Maddercloud
2013年で最も成長率が高かったのは、公共事業をほとんど積んでいない1〜3月期であり、その後公共事業を増やしても成長率は低下しています。
2013年10〜12月期、実質GDP伸び率は年率換算1%増、公共事業は2.3%増でした。
公共事業をやはり増やしていますが、成長率は低下しています。
公共事業と実質GDP成長率は関係ありません。

消費税増税の影響などで消費者物価は3%上昇すると見込まれるが、賃上げ率が3%以上にならないと、現役世代は消費水準をさらに落とすしかない。物価は上がっても需要が大きく減る「スタグフレーション」という最悪の局面になりかねない。その先はデフレ不況の再来だ。

消費増税3%で、消費者物価が3%増?
物価上昇は2%のはずですが?
もしかして単純計算ですか。
前回増税時に見る、消費税増税の消費者物価への影響 2013年10月15日 | 大和総研グループ | 橋本 政彦
賃上げしないとスタグフレーションになる、とも書いていますが、物価上昇率以上に賃上げすると逆に危険な筈です。
スタグフレーションは、インフレと失業が同時発生する状態です。
インフレ下でそれ以上に賃上げすると、企業収益の増加以上に人件費コストが上昇するので失業が発生してしまいます。
また、スタグフレーションのあとにデフレというのもよくわからん理屈ですね。
スタグフレーションはインフレですよね。
どうしてそこから急転直下デフレになるのでしょう。

日銀がお札を刷るだけではGDPを押し上げられない、というのが過去1年間の教訓だ。

おお、田村秀男は目が見えないのか字が読めないのか知りませんが、金融緩和を開始してから過去に例を見ないほどのGDP成長率が達成されたことを知らないようですね。
先ほど書いたとおり、2013年1〜3月期の成長率は年率換算で4.1%もありました。
この時期、公共事業の増加もありませんし、実は実際のカネの印刷もありませんでした。
インフレ目標を採用するという「予想」が強力な効果を発揮したのです。

公共投資内需拡大に絶大な効果を上げていることは前述した通りだ。

単なるウソですね。
公共投資が効果をあげている証拠はありません。
言いっぱなしではなく、具体的な根拠をあげたら良いと思います。
論法がデフレ派そっくりになってきました。

日銀が創出する資金のうち100兆円を国土強靱(きょうじん)化のための基金とし、インフラ整備に投入すればよい。強靱化目的の建設国債を発行し、民間金融機関経由で日銀が買い上げれば、いわゆる「日銀による赤字国債引き受け」にならずに、財源はただちに確保できる。

100兆円を公共事業に?
どうかしちゃってますね。
そんなにインフラを造って維持費はどうするのでしょう?
現状のインフラだけでも2030年代には維持費だけで手一杯になり、新設ができなくなると国交省が予測していることを、「新聞記者」のくせに知らないのでしょうか。
田村秀男が「経済に詳しい」とは、誰が言い出したことなのでしょう?
最近の田村の発言は池田信夫と変わらんと思います。
記者を辞めたあとの身の振り方を考えて、土建トライアングルにとり入っているようにしか見えないのですけれども、それはもちろん無名匿名泡沫ブロガーの妄想なのでしょう。