国土強靭派は新自由主義者

三橋貴明の主張によれば、消費増税を主張する人間は新自由主義者だということになるのですが、三橋が礼賛する西田昌司脇雅史議員も、国土強靭派の国会議員の大半も消費増税派です。
ややこしいことに西田昌司は、「消費増税に反対する人間は新自由主義者だ」と言っている始末。
国土強靭を叫ぶ議員と三橋貴明の言い分は真っ向から対立しているのですが、どういうわけかスクラムを組んで公共事業の実施を煽っているんですね。
彼らは何かというと「国のため」とか「経世済民」などと口走りますが、まったく矛盾した主張を繰り広げながらも、大金のからむ公共事業を通じて結びついているようです。

事業ができないのに予算をつけろ?

国土強靭化を阻む三つの壁(後編) | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
どういう特権意識なのかわかりませんが、「事業者が足りなくて事業ができないのに予算は減らすな」と国土強靭派は言うのですよね。
事業に使えないカネがついたって意味ないですよね?
「事業者が会社を維持できるように複数年にわたって予算をつけろ」とも言っていますが、現状で人手が足りないくらい仕事があるのに潰れるわけないはずなんですが、まさか仕事もしないでカネだけ寄こせというのでしょうか。

一つ目は、財務省を中心とする財政均衡主義。このテーゼは、国土強靭化関連の公共投資を妨害しているのはもちろんのこと、医療サービスの供給能力毀損、農地の荒廃、防衛力の縮小など、実に様々な分野に影響を及ぼしています。と言いますか、デフレの国が財政均衡を目指す限り総需要の不足が続きますので、物価下落と所得縮小の悪循環がどこまでも続き、日本国民は貧困化し、国家は発展途上国化していきます。

しれっとウソを混ぜるのが三橋のお得意の手法ですが、総需要は財政だけに影響を受けるわけではないので、この記述は間違いです。

 皆さんの家の前に敷かれている舗装道路は、100%赤字です。何しろ、建設費、メンテナンス費がかかるにも関わらず、皆さんは通行料を支払っていないのです。

一般道路の通行料はもちろん払いませんが、そもそも税金で作っているのですから、国民の経済活動から出たカネを払っていますね。
こんなのは言うまでもないことなのですが、「子供だまし」に近い低劣なレトリックです。

事業単体では赤字になろうとも、その事業により国民の経済活動が活発になり、所得水準が上昇していくならばやるべきなのです。公共事業でインフラを整備することで、地域経済が活性化し、国民の所得が拡大すれば、当然ながら税収も増えます。

日本の公共事業では経済活動は活発になりませんし、所得も上がりません
それが90年代〜2000年代にかけての経験です。
経済にちっとも貢献せず、維持費ばかりがかかるからこそ、公共事業を減らそうという話になってきたわけです。
必要のない公共事業を実施するために土建業者を公金で維持するなどという政策はおぞましい限りです。

「土木企業、建設企業が外国企業によって供給されても構わない国」
 というのも、まあ「相対的」な話ではありますが、存在するのでしょう。その種の国に日本がインフラを売り込むのは、特に反対しません。とはいえ、我が国は違います。

いや、同じです。
日本の公共事業を外国企業が受注する状況になったとしても、日本の基準を満たす工事をしてもらえば良いだけなので、何の問題もありません。
日本の基準が厳しすぎて外国企業が受注できないなら、日本企業が受注できるのですから。
安全基準を緩和せよという要求がTPPで出てくるのであれば、そこは慎重に交渉するべきではありますが。
TPPで公共事業の受注が相互化されれば、日本で公共事業が減少しても、外国の公共事業に日本の企業が参加できるかもしれませんから、土建業者が潰れることも減るでしょう。