増税に賛成するのはどの立場にいても自滅的ですよ
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その日の内に菅官房長官から全否定されていました。
日本マスコミの状態は非常に深刻だと思ったのですが、こんな虚報を新聞・テレビが足並み揃えて流すようでは、役所の広報部と見做されても仕方有りません。
マスコミは、記者クラブ・クロスオーナーシップ容認・電波料軽減・再販制度・特殊指定・NHK受信料など、各種の優遇措置で特権的な地位を与えられ、それによって高い報酬を得ている業界ですから、官との結びつきが強すぎて、事実上公務員になっています。
明らかなウソによって官僚など特権階級に有利な社会環境を構築していってしまうマスコミは、国民にとっては危険な存在です。
いくら正しい知識をもち、それを広めようとしてもマスコミが全力で妨害しているのですから、効果を持ちません。
日本の社会改革にはまず、既存のマスコミ構造を改革しなければならないと思います。
みんなの党はやはり増税反対
ブレないことで知られる「みんなの党」が、マスコミの虚報についてのコメントを発表しています。
消費税増税内定報道についてのコメント
2013年9月12日 17:33
■安倍総理が来年4月から予定どおり消費税率を8%に引き上げる意向を固めたと報道されている。
■公式発表前にそうした報道が出回るのは、増税官僚の相場観作りに他ならない。
■仮にそれが事実だとしても、増税の根拠は薄い。増税のホンネは、カネをバラマキ、使いたいから、増税して国民からカネをむしり取って来いというだけではないか。大きな政府をますます大きくする魂胆が透けて見える。
■消費税増税が景気の腰折れにつながることを懸念し、5兆円程度の規模の経済対策を検討しているとも報道されている。増税で景気が腰折れすることが分かっているのであれば、なぜ増税するのか。増税しておいて財政支出を増やすなど、本末転倒も甚だしい。経済対策というが、増税しなければ、その必要もない。
■みんなの党は、消費税増税の前にやるべきことがあるということを、一貫して主張してきた。要するに、1.デフレ脱却が先、2.不公平の是正が先、3.無駄の削減・行革が先ということだ。
■9月9日に公表された今年4−6月期のGDP2次速報を見ても、まだデフレ脱却していないことは明らかである。
■税・保険料の不公平を是正するための具体策として、歳入庁や消費税インボイスの導入がある。いずれも、先進国では当たり前の話である。
■いずれにせよ、増税の判断はアベノミクス物価安定目標効果が確認できる2年後まで凍結すべきである。
平成25年9月12日 みんなの党 代表 渡辺喜美
http://www.your-party.jp/news/party-opinion/002334/
政党というのはこのように、確固たる政策的信念をもって運営されるべきものであるので、「一旗揚げよう」などという考えで政策的すり合わせもなく野合するべきものではありません。
みんなの党の存在意義は、国民にとっては必ずしも馴染みのない、理解が難しい知識・知恵であっても、それらが正しいものであり、社会改良に役立つものなら根気強く提案していく、というところにあるのであって、その他の政党のように「現世で上手いことやる」点に力点を置くようになってはいけません。
ほとんど唯一、国民にとって正しいことを迎合すること無く訴えているのが「みんなの党」だと言えましょう。
このスタンスが継続されることを望みます。
社会保障はどうなった
消費増税のもともとの名分は、「社会保障を持続可能にする」というものだった筈ですが、増税の悪影響を相殺するために各種経済対策が提示されるようになり、もともとの名分がどこかに飛んでいってしまいました。
消費税 来春8% かすむ社会保障目的
2013年9月13日 東京新聞 朝刊
消費税増税法は、少子高齢化に伴って予算額が膨張し続ける年金や医療、介護などの社会保障制度を維持・安定させる目的で制定された。成立当時の野田佳彦首相、現在の安倍晋三首相も「増収分は全額、社会保障費に充てる」と明言してきた。
来年四月の消費税率の引き上げでも、政府は八兆円程度の税収増を全額、社会保障に充てると説明するが、経済対策が実施されれば、増税で生じた財源のゆとりで賄うことになる。
本来なら、そのゆとりは財政赤字を減らしたり、社会保障に使うべきで、社会保障制度を維持・安定させるという増税の目的とは矛盾する。
しかも、経済対策は四月の増税に伴う景気の落ち込みを避けるため「即効性が必要で、従来型の公共事業中心にならざるを得ない」(官邸筋)といわれる。消費税は国民が一律に負担するのに、それに伴う「痛み」を軽減する経済対策が公共事業中心になれば、建設業界ばかりが大きな恩恵を受ける。
消費増税まわりの論議は、増税&財政貪り派が、どんな批判に対しても増税有りきの反論をあらゆる角度から繰り出してくるので、相当に拡散・混乱しています。
これほど矛盾だらけの論議をするより、誰にでもわかるシンプルな解決策とは、「消費増税をやめる」ということしかありません。
心ある人にとっては増税反対が最善の選択肢
今回の増税が実行されるのか凍結されるのか全くわかりませんが、いずれの結論が出たとしても、その後の世界での立ち位置のためにも今は増税反対することが最もよいことであり、一択といっても過言ではありません。
消費増税を実行した場合、増税&財政貪り派が夢見ているような、彼らにとってのバラ色の世界は到来しません。
増税を実行すると、次に列挙するような状況が想定されます。
1のシナリオ
これが最悪パターンですが、増税派もここまで愚かではないので、さすがに有り得ないでしょう。このパターンでは、景気が悪くなるわ財政も悪化するわで、国民からは最大級の非難を浴びることになり、2015年の増税は困難になるでしょう。自民党も選挙で負けます。
2のシナリオ
現在提案されているのは2のパターンです。
消費増税分のうち、3分の2を財政政策で使うという、もはや何のために増税するかわからない話になっていますが、ジョークでなく論議されるのが日本の恐ろしいところ。この段階で、国民から非難轟々であってしかるべきなのですが…
「国債の新規発行はせずに、今年の税収の上振れ分を使うので財政は悪化しない」という言い分のようですが、消費増税の負のインパクトは恒久的なものなので、単年度だけ財政政策をやれば景気は悪化しない、という見通しは楽観的に過ぎるでしょう。
日本人は先の見通しをみて財布の紐を引き締める傾向がとても強いですから、おそらくは何年もにわたって財政政策をふかし続けなければならなくなり、財政は悪化し、国民から非難を浴びせられることになるでしょう。
3のシナリオ
これは最も狡猾なパターンであり、もしかしたらあり得るものです。
増税派は財政を貪りたいのですから、金融政策によって増税が持つ負のインパクトを相殺されるのを好みません。
黒田総裁も、「異次元緩和は増税をおりこんで計画され、これ以上やらなくてもデフレ脱却はできる」と主張しています。
黒田総裁が「場合によっては追加緩和する」と話していても、それは本気でなく、金融政策が活用される可能性は低いです。
しかし、もしも3のシナリオになれば経済の腰折れは防がれ、国民にとってはさほど悪いことではありません。
ただ、財政再建という名分は実現できませんから、非難を浴びる理由にはなります。
4のシナリオ
これは想定されるなかでは最善のシナリオですが、最もありそうにないものです。
また、「緊縮財政+充分な金融緩和」が理論的に想定されているとおりに機能するかどうかは未知数です。
まず、何度も書いているとおり、増税派は財政を貪りたいのですから、金融政策だけで増税のインパクトを相殺されることなど全く望んでいません。
財政が貪れないなら、増税する意味が彼らにとっては有りません。
だから、このシナリオは単なる夢物語であり、主張するに足らないものなのです。
このシナリオが実現する社会では、そもそも増税が提案されないのですから。
増税賛成者はみな、損をする
一般レベルで増税賛成である人が損をするのは当たり前ですが、社会の上層で賛成している人も、上記の1〜4のシナリオを考えると、みなが損をすると私は思います。
有り得ない4を除き、どのパターンでも消費増税はその名分を実現することができない、「ウソ政策」ですから。
財政再建をするといっていながらできず、社会保障を持続可能にするといっていながらできず、景気を悪化させないといいながら悪化させるのですから、どう転んでも批判をあびる理由がそこにあります。
もちろんマスコミは、そのような批判が起こらないよう、都合の悪い事実は無視したり、他のせいにしたり、或いは全然関係ないお祭り騒ぎを引き起こして国民の視線を他にそらそうとするでしょうから、実際には批判が起こらないかもしれませんが…
消費増税の悪影響が顕在化する時期には、「あまちゃん2」と「半沢直樹2」が放送されているでしょう(^^)
リフレ的主張をしていた竹中平蔵や山本幸三は消費増税に賛成したことによって、ご褒美として様々な地位・特典は与えられるとは思いますが、10月1日以降の世界がどうなろうと信用を落とし、影響力を減らしていくでしょう。
消費増税に賛成することは、どのシナリオでも必ず矛盾を露呈することになってしまうのですから、社会からの信頼・評判を大切にして発言していきたいと考えている人にとっては、今の情勢がどうであろうと、増税反対一択なのだと思います。
もっと金融政策を推進するべし
財政再建の面から見て増税はまったく必要ではなく、金融政策さえ充分にやっていれば日本の債務問題は解決してしまいます。
財政政策のもつ経済効果は実に微々たるもので、現在異時限緩和が曲りなりにも効果を発揮していて、このままのペースで成長したとすると単にそれだけで4〜5兆円の税収増になります。
金融政策をいっそう強力に推進し、名目で4〜5%成長に乗せることができたなら、消費税にして3〜5%分の税収増がわずか数年で実現してしまいます。
本来私たちが問題にするべきなのは、「金融政策を改善せよ」ということなのですが、政官財マスコミの連携プレーによって真の問題が覆い隠されてしまっています。
残念なことです。