【甘利】増税の悪影響を相殺しなきゃいけません

変身 (新潮文庫)

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だったら増税しなければいいだけだと思うのですが、増税派の人たちはどうしてこのように曲がりくねった思考をするのでしょうか。

消費増税対策は2兆円超える、反動減と成長への対応必要=甘利経済再生相
[東京 9日 ロイター] - 甘利明経済再生相は9日、記者団に対し、安倍晋三首相が予定通りの消費増税を決断する場合、駆け込み需要の反動減に加え、経済を成長軌道に復帰させるための対応が不可欠とし、対策規模は2兆円を超えるとの認識を示した。

財政再建のための増税」のはずが、増税の悪影響を打ち消すために歳出を増加させるというのですが、普通の感覚からみれば実に奇妙です。
「1-1+1+1=2」という計算をしている人がいたら、「どこかおかしいのかな?」と思うのが自然ですが、増税関係の議論を見ていると、官僚・政治家・マスコミ・識者・学者で、そのような計算をしている人が大勢いるので非常に驚きます。
カフカもびっくりです。
今のところ喜ばしいことに金融政策が効果を発揮して、4月〜6月の実質GDPが年率換算で3.8%成長(名目は3.7%)のペースです。
増税などせずにこのまますすめば、税収は自然と増加します。
7月以降の成長については少し不安があります。
5月下旬の黒田暴落以降、為替レートや株価が今ひとつの状態が続いているので、これが響くかもしれないと思うからです。
しかし、もし7月以降の成長も良いペースであるなら、現在の予想インフレ率・為替レート・株価で、経済回復にとって充分だということになります。
日銀による銀行からの貸出支援策や、マネタリーベースの積み重ねによる作用が大きいということになりますから。
この辺は関心を強く惹かれるところですが、7月〜9月のGDP速報は11月と12月になるのでしょうから、遠い話ですねぇ。
インフレ率だけでなくGDP成長率に注目するのは大事だと考えるのですが、やはりGDPはサブ指標として見るしかないのかもしれません。
ペースが遅すぎますし、一次速報と二次速報で、1%もの修正が入るようでは機動的な判断には向きません。
精度が上がれば速報性の低さを補えるとは思いますが。