グレイハウンドのレース

だらだら過ごす休日にも、地球の何処かで行われている見知らぬ出来事に新たにアクセスできる時代になりました。ネット最高。
直線を爆走するグレイハウンドのレース。

この動画を挙げた人も、グレイハウンドを飼うことなんて普通は無理ゲーな狭苦しい日本に住む人間が、部屋でダラダラ過ごしながらグレイハウンドのレースを食い入るように見ているなんてまさか思いもよらないだろうなぁ。
想定視聴者では絶対にないだろうなぁ。
ネットがもたらす人間のつながりは不思議不思議。
アメリカではグレイハウンドのレースは「非人道的」だとのことで、43の州で禁止、許可されている州でも人気の低下などで行われなくなって、いまでは3つくらいの場所でしかやっていないらしい。
アメリカで行われているような、電動のルアーを追っかけてトラックを回るレースは好きになれなくて、今まで全然興味がありませんでした。
トラックを回るのを遠目に眺める競技というのは、競馬もそうですがなんか分かりにくくてイヤなんですよね。
だから、タイキシャトルジャックルマロワ賞で直線をひた走っている様を見た時には新鮮な関心がわきました。
どういうわけか知りませんが、直線のレースの方が私は面白いんです。
このレースはタイキシャトルではありませんが…

しかし、直線か周回かという区別は別としても、欧州の競馬中継は面白く、日本の競馬中継はつまらんです。
どのレースも同じ撮り方で、ほとんど十年一日のように同じ撮り方しかしませんから。
欧州の競馬中継は、スピード感・臨場感を伝えようという心構えが伝わってきます。
日本の競馬中継には、視聴者を面白がらせようとか、新たな価値を与えようとかいう工夫がありません。単にしきたり通りの作業を繰り返しているだけ。
官僚的です。
それはともかく、「ドッグレースでもシンプルな直線レースがあればのうぅ。ちゃちな電動ルアーなんか使わないで、野性味あふれるやつはないもんかな」と思いながらYouTubeを検索していたら、やっぱりあるんですね。世界は広い。
最初は「ああ、グレイハウンドらしきものが写っているけど、俺はスペイン語分からねぇんだよ」と無視していたのが、試しに見てみたら、自分の嗜好にどんぴしゃり。
地球がこれだけ広いと、私のような偏屈人間と同じ感性の人間もうじゃうじゃ存在するということなんでしょうなぁ。
やさぐれ感あふれるこの地域でのレースは、ルアーの牽引もガソリンエンジン(バイクを使っているのではないか…)や手回し(!)で行うなど、暖衣飽食に慣れきった、お澄まし堕落日本人の我々には衝撃的な遊び方が行われております。
こうでなくちゃ。

これはおそらく、スパニッシュ・グレイハウンドのレース。
このエントリの最初の動画ではスターターがスペイン国旗を使っているので、スペインで行われている可能性もありますが、メキシコのような気もします。
スペイン語ではグレイハウンドのことを「Galgo」ということも知りました。

これはイングリッシュ・グレイハウンドのレース。
先進国のサイトハウンド愛好者が行う遊びに、「コーシング」というものがありますが、これは電動ルアーをウサギちゃんのように動かして、それを追いかけるサイトハウンドの走りの美しさを堪能しましょうというもの。
この動画はグレートデーンアイリッシュ・ウルフハウンドを使ってコーシングをするという、無理ありすぎな遊び方。話しにならないくらい遅い。

先進国では生類憐れみの令的な価値観が蔓延しているので、ルアーを使わないと「非人道的だ」ということで非難されてしまいますが、途上国では当然のように生きたウサギちゃんを使用しております。あはははは。

これを「残酷だ」と言い切る自信が私にはありません。
人間がウサギを食料にしている例も、現在の地球上において珍しくありませんし。
グレイハウンドも容赦なくウサギちゃんをぬっ殺します。
レースを引退したグレイハウンドのアドプションが欧米では盛んなようですが、日本にも送ればいいのに。
受け入れる人は結構いると思いますがね。
殺すくらいなら俺にくれ、って感じがします。
直線レースに魅力を感じるのはブラジルも同じことのようで、スペイン語圏とほぼ同じドッグレースが開催されているようです。

グレイハウンドのレースのことを、スペイン語では「carrera de galgo」、ポルトガル語では「corrida de galgo」というようですね。勉強になるわぁ。
やっぱ勉強は、なんでもいいから興味が先んじている方が、広く学ぶ気になるようです。
ラテン文化圏は、競馬も直線。

うう、感性が合う…
ラテン系言語、勉強するかな…