通貨供給量の増加=支出の増加

通貨供給量マネーストック=マネーサプライが増加しているようです。
記事によれば、銀行貸出が増えているとか。
デフレ派が言うような、「マネタリーベースがブタ積み」といった状況にはなっておりません。

通貨供給量、3.0%増=貸し出し増え、伸び率最大―6月
時事通信 7月9日(火)13時1分配信
 日銀が9日発表した6月のマネーストック(旧マネーサプライ=通貨供給量)速報によると、現金や預金などの代表的指標であるM3残高は前年同月比3.0%増の1158兆2000億円だった。現行の統計方式となった2004年4月以降で最大の伸び。日銀の量的金融緩和を受け、金融機関が企業や個人に対し貸し出しを増やしていることが背景にあるとみられる。

貸出増加の始まりが、予想よりも速いなと思います。
アベノミクス開始以降、実体経済への波及が速いな、と思わされる事例がけっこう有るのですが、このへんの原因もゆくゆく研究されて明らかになっていくのかもしれません。
もともと日本経済には伸びる準備があったのに、白川以前の日銀が無理やり抑えつけていたという解釈が可能かもしれませんね。
ただ、この記事はやっぱり日本のマスコミならではの、おかしなくだりがあります。

M3残高の内訳では、預金が5.4%増と大きく伸びた。企業は金融機関から借り入れた資金を設備投資に回さず、預金として手元にとどめているようだ。 

預金が伸びているだけで、どうして「企業は金融機関から借り入れた資金を設備投資に回さず、預金として手元にとどめているようだ」とわかるのでしょう?
どうやって内訳を調べたのでしょうか。
単なる推測ですよね、これ。
企業が資金を無意味に借り入れるわけがないので、これから利用しようとしている段階でしょう。
借りてすぐに利用しなければ、あたかも「借りても無為にためこんでいる」という印象を与えるような書き方をするのは偏向です。
金融緩和政策への非難をかならず記事のどこかに忍ばせるのが、上司からの指示としてとんでいるのではないかと思われます。
ところで、この話題と関係したアイデアなのですが、「銀行が日銀にもつ準備金にはプラスの金利を払い、超過準備金と手元現金にはマイナス金利を払う」というものがマーケットマネタリストから出されています。
銀行が溜め込んでいるカネをマネーストックにするためのアイデアです。
マネーストックが増えると支出が増えますから、成長を加速するだろうと思います。