予想インフレ率を2%に固定せよ

ーケットマネタリズム本を買おうかな、と思ったのですけど、キンドル版しか出ていないのですねぃ。

Market Monetarism Roadmap to Economic Prosperity (English Edition)

Market Monetarism Roadmap to Economic Prosperity (English Edition)

私はキンドルなんて洒落たものは持っておりませんで…
紙の本で出ませんかねぇ。コスト面で無理なんでしょうかねぇ。
或いはマーケットマネタリストを日本に招聘しましょう!
というわけで、ラルス・クリステンセン氏の分析。
Mr. Kuroda please ‘peg’ inflation expectations to 2% now | The Market Monetarist

  • 黒田日銀総裁への市場からの信頼が2週間前にゆらぎ、日経株価は暴落
  • その証拠は予想インフレ率の低下。
  • 予想インフレ率は5月中旬に1.8%まで上がっていたが、5月末には1.6%まで急落
  • この原因は、黒田総裁の矛盾した発言
  • 金融緩和しながら、長期金利を低く抑えるなどと発言したため、混乱を招いた

クリステンセン氏のエントリに示された予想インフレ率のグラフは衝撃的でしたね。
少し前まで、「予想インフレ率が1.8〜1.9%まで上がっている」と報じられていたので、「予想インフレ率が高く、金融緩和もしているのにどうして円高気味なのだろう?株価はどうでもいいけど*1」と考えていたのですが、急落していたのですね。
予想インフレ率はいつでも確認できることが大切ですが、現在はそれが出来ません。良くないですね。

  • 金融緩和して予想インフレ率が上がって長期名目金利が上がるのは当たり前だし、それは成功なのだ
  • 長期名目金利が上がることを日銀が恐れていたら、デフレから脱却することはできないよ
  • 長期名目金利を低く抑えることを前提にした金融政策なんかやめなさい
  • 予想インフレ率が下がったら、日銀は物価連動国債を買いなさい。そうすれば、マネタリーベースが増え、インフレ予想も元に戻る
  • 「予想インフレ率を2%に固定します」とだけ日銀は繰り返して言えばよいので、それだけやっていればあとはゴルフやってればいいですよ、黒田総裁
  • 日銀が予想インフレ率を2%に固定する、ということが市場から信頼されれば、実際の国債買い入れは少なくて済むよ(信じさせるために、最初は買い入れが必要だけど)
  • 以上のような決断をすぐに行って下さい、黒田総裁。遅くなればなるほど、デフレからの脱却は難しくなります

黒田総裁が財務省の呪縛を断ち切ることができるかどうか、が勝負ですね。

*1:言い過ぎw