安全保障か内政か

この二つのうち、どちらが重要か、という問いは無意味であって、「どちらも重要」としか言えません。
ただ、日本の現状や安倍政権の維持を考えるなら、表向きには内政を前に押し出すべきで、安全保障は目立たない形で整備していくべきだと思います。
安全保障の問題は一般市民にとっては経済よりもわかりにくい、長期的な視野を必要とするテーマであって、安全保障を前に押し出して憲法改正を論じてしまうと、改正の必要性がよくわからない上に、中・韓・マスコミ・自民党内の反安倍勢力が煽る戦争の不安を根拠無くつのらせる人々が出てくることになり、安倍政権の存続にマイナス要因になるでしょう。
安全保障や国家の威信の問題について、象徴的な意味をもつ行動をとりすぎてしまうと、イメージが先行することになって批判を浴びやすくなります。
具体的な対処を行うなら、それは専門的で地味な問題になるので一般市民の疑念は招きにくいでしょう。
たとえば、経済が好転すれば海上保安庁の装備や人員を充実させるといった形で安全保障を強化することができますが、そのようなことに興味をもつ人はあまりいません。
海上自衛隊が出て行く」といった対処をしてしまうと、そこには「軍隊」という象徴性が存在するため、市民の不安を喚起することになり、悪手でしょう。
要するに、敵のイメージ操作にやられないような方策をとるべきだということです。
やっていることが同じでも、悪い印象をもたれやすい方法と、そうでない方法があるので、その選択に慎重になるべきだ、と私は主張したいわけです。