牛丼なんかどんどん値下げしろ

丼を値下げしようがニトリが値下げしようが、脱デフレの邪魔にはなりません。
自由に値下げするべきです。
デフレは金融政策の失敗が生み出した現象ですから、個々の企業の経営判断は無関係です。
好きなように値上げしたり値下げしたりすれば良いのです。
そのことによって国民生活が苦しくなるとか楽になるとかいうこともありません。
国民生活を苦しめているのはデフレであり、個々の商品の価格動向ではないのです。
難しいですか?
簡単ですよ。
牛丼を例に考えてみればよいでしょう。
松屋の牛丼が値下げされて250円になったとして、毎日そればかり食べるのでしょうか?
或いは、他の外食をするときにも松屋の牛丼に合わせて250円しか出さないようになるのでしょうか?
そんなことはありませんね。
松屋の牛丼が値下げされても、そればかり食べるわけではなく、別の値段の食事もするはずです。
つまり、我々の生計費が下がるとは限りませんね
いちいち一ヶ月の昼食代の合計をチェックしてコントロールしている人がいるでしょうか。
めったにいないと思います。
ということは、松屋の牛丼が値下げされても、場合によっては一ヶ月の昼食代が前月よりも高くなるわけです。
この事情は世の中にいるどの人でも同じです。
そして、生計費とは物価のことです。
要するに、松屋の値下げは「物価が下がること=デフレ」とは無関係です。
下に挙げたフジテレビの報道は、テレビ朝日に比べればだいぶマシですが、やはり物価と価格を混同させる文脈のものです。
この同じ手法、が同じ時期にテレビ、新聞、雑誌、ラジオ、などで行われるのは偶然では有り得ない話です。
マスコミにも経済学部出身者は大勢いるのですから、物価と価格を混同した報道内容のおかしさに誰も気づかないということは有りません。
マスコミが従っている誰か、の意向が反映していると捉えるのが普通で、それはもちろん、マスコミを規制によって監督・保護している官僚しかいません。

脱デフレ目指すアベノミクスに逆行する動き 牛丼各社が値下げへ
フジテレビ系(FNN) 4月2日(火)17時52分配信
脱デフレを目指すアベノミクスに逆行する動きが起きている。牛丼各社が、一斉に値下げへ向かっている。
すき家」では5日から、牛丼の「並盛」が280円から250円に値下げされ、さらに、特大の「メガ」も610円から580円と、それぞれ30円値引きされる。
一番小さな「ミニ」は、200円となっている。
今回の「すき家」の牛丼値下げは、5日から12日までの8日間限定だという。
この春、アベノミクスによる円安の余波で、原材料を輸入に頼る食品や生活必需品、そして、海外のブランドバッグなどの商品では、値上げの動きが見られている。
急激な円安を受け、輸入の牛肉や、豚肉なども10%から15%値上がりしている。
スーパーなどでも、為替レートの影響で、牛肉の値段が上がりつつある。
牛丼が、逆に値下げされることになった理由として考えられるのは、2月にアメリカ産牛肉の輸入規制が緩和されたこと。
それまで、月齢「20カ月以下」に限られていたものが、月齢「30カ月以下」の牛であれば、輸入ができるようになったため、全体の取引量が増え、2月の牛丼用のアメリカ産牛肉価格は、2012年に比べ、1割ほど下がったのだという。
しかし、「すき家」側は、この規制緩和の恩恵を受けるのは、これから先の話で、今回の値下げの理由は別にあるという。
すき家」を展開する「ゼンショー」担当者は「食材の原価は、まだ高騰している状態で、店では厳しい状況が続くが、そういった状況でも、消費者に喜んでいただきたい」と述べた。
値下げで活気をつけたいという、「すき家」側。
これまでも、期間限定の値下げをたびたび行ってきた「すき家」。
特に、デフレ不況の真っただ中だった2010年には6回。
2011年には、8回の値下げを行ったが、2012年は、その回数が2回にとどまっていた。
すき家」を展開する「ゼンショー」担当者は「お客さまに喜んでいただけるのであれば、(値下げの)努力はしていきたい」と述べた。
さらに、「松屋」でも、8日から「牛めし」の価格が、それぞれ30円値下げされるという。
また、「吉野家ホールディングス」も、近々の値下げを検討しているといい、実現すれば、牛丼業界に一斉値下げの波がやってくることになる。
東京・新橋で、サラリーマン20人にお昼代について聞いたところ、上がっていたのは1人、下がっていたのは2人、そして、現状維持は17人という結果になった。
専門家は、アベノミクス効果が浸透するには、まだ時間がかかるため、少しでも安いものを求める消費者を狙った値下げの動きには、アピールの効果があるとみている。
第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストは「円安株高で、景気が回復してから3カ月しかたっていない。消費者の収入が増えるというのは、タイムラグをともないますから、そこで値下げをアピールすることで、より集客効果を高める意図があると思う」と話した。
最終更新:4月2日(火)18時47分