いつものことながら、岡田克也が間違う

田克也が間違ったことを言っています。
間違うことじたいは民主党議員には通常のことですので、「またか」といった冷笑しか買うことができませんが、一応潰しておかないと間違った内容だけが一人歩きすることもありますから、やっておかなくてはいけません。
小見出しは正しい内容ですのでお間違えなく。

ンフレ目標は金融政策だけで出来る

安倍政権はデフレ脱却のために「三本の矢」という方針を打ち出していますが、岡田のブログを読んで私が驚いたのは、岡田がその方針に賛成しているという点です。

物価安定目標2%は、一義的には日銀に責任があるとしても、それは政府の努力なくして持続的にできるものではありません。だからこそ、デフレ脱却のための1本目の矢(金融政策)だけではなくて、「3本の矢」と政府も主張しているわけです。
もし、金融政策だけで2%の物価上昇が持続的にできるということであれば、「3本の矢」とわざわざ言う必要はないし、2本目の矢である財政出動も必要ないということになるはずです。

民主党は安倍政権の経済政策に反対していた筈ですが、岡田は「デフレ脱却には金融・財政・成長政策が必要だ」とブログで明確に述べています。
岡田のエントリに見られる、民主党内の矛盾・混乱は彼らの内部事情なので原因がよくわかりません。それは追及しても、実りのあることではないでしょう。
民主党の場合、大した理由もなく、単に「すりあわせ不足」といった原因で矛盾した言動をとることがよくありますから、考えるだけ時間のムダです。
上記岡田発言のどこが間違っているかというと、「インフレ目標に政府が関わらなければ、その成果を持続できない」というところにあります。
先だっての私のエントリでも書きましたが、政府は貨幣量を増減させる権限を有しないので*1、インフレ率を左右できません。
もし政府にインフレ率を動かす力があるなら、日本が15年のデフレに嵌り込むことはなかったでしょう。
岡田の発言は現にあった事実を没却しています。
ただ、財政政策も、正しい金融政策の下で行うのであれば、需要不足の改善に効果的ではありますから、金融政策でこそインフレ目標を達成できるという主張とは特に矛盾しません。

債の買い入れは財政ファイナンスとは思われない

岩田規久男教授の所信を岡田克也は真面目に読んでいないのでしょうが、「日銀による国債買い入れが財政ファイナンスだと思われる懸念がある」などと書いています。
要するに岡田はインフレ目標政策を理解していないのですが、インフレ目標を定めておけば金融緩和の上限も定まるということなのですから、財政ファイナンスの懸念から金利上昇などということも起こらなくなるのです。
ここは大事ですから二回書きますが、インフレ目標を定めると、そのようなことはむしろ起こらなくなるのです。
インフレ目標がない現状の方が、財政ファイナンスの危険性があるのです。

ーケットからの信頼は、今、増している

岡田克也をはじめとして、民主党の面々はとにかく現実から目をそらす傾向が強いので困ったものですが、白川が政府との共同声明を出した際には円高で応えた市場が、アベノミクス宣言と黒田・岩田両候補の所信に対しては「円安・株高」で反応しています。
岩田規久男教授の発言によってマーケットからの信頼が揺らぐなどと、現実とは真逆の妄想を岡田は発露させていますが、それは杞憂です。
テレビを見るとか新聞を見るとかネットを見るとかして、岡田が現実と、たとえそれが嫌な現実であったとしても、向き合うようにすれば、白川時代が終わることによってマーケットからの信頼は大幅に増していることが観察出来る筈です。

事が出来なければ辞めるのが責任

コミットメントという言葉は岡田克也には難しすぎてわからないと思いますし、民主党は失敗してもウソをついても、一切責任をとったことがない集団ですから、「責任を負う」という概念がないのでしょう。
白川のように仕事をしなくても、国家・国民に多大な迷惑をかけてもまったく気にしないでその地位に居座るようでは、それこそマーケットからの信頼を失います。
その証拠に、白川が政府との共同宣言を出した時には、「金融緩和をする」といっているのに円高になりました。
マーケットは行動によって、白川への不信を表明したのです。
仕事に失敗しても責任を負わない姿勢が経済に対して、いかに悪影響を及ぼすか熟知している岩田教授は、全力を尽くす意志をマーケットに伝えるために「目標達成できなければ辞職する」と発言したのです。
これは日本の中央銀行史上、異例中の異例の出来事ですから、マーケットにいる世界中の人々は改めて、「岩田とは誰か」を調べたことでしょう。
そして、マーケットが知ったその内容そのものが、日本をデフレから脱却させるための安定して持続的な信頼につながっていくのです。
岡田のように、物事に口出しするわりには本も読まないような人間には理解できないことではあるでしょうが…
【ブログ】日銀正副総裁人事 | 岡田克也オフィシャルブログ Powered by Ameba

*1:政府紙幣とか補助貨幣は別です。発行するなら私は賛成しますが。