デフレは諸悪の根源

  • 借金は名目で契約します。過去の借金の額はデフレになっても名目上変わりません。当たり前ですね。100円の借金をして、『デフレだから99円にしてくれ』という話が通るならこんな嬉しいことはありません。
  • 過去の借金額がデフレでも変わらないと、借金を返すのが大変になります。なぜなら、デフレで価格が下がった商品を売って過去の借金を返すのですから、より多くの商品を売らなければなりません。つまりデフレは借金の重さを増します。
  • そのように借金返済に四苦八苦する企業は設備投資を抑制します。お金があったら返済に回すわけです。
  • 給与明細書に書いてある給料の額が「名目賃金」です。名目賃金で買えるモノやサービスの量を「実質賃金」といいます。2000年から2009年までの実質賃金は95年から99年の実質賃金より低いです。ということは、消費可能な水準が下がって貧しくなっているのです。これは物価が下がった以上に名目賃金が下がっていることを示します。
  • デフレになると財政再建が出来ません。名目所得と名目消費が上がらなければ税収が上がらないからです。同じ理由で社会保障制度の維持もできなくなります。
  • デフレで地価が下がり続けると住宅投資をやめておこうという話になりますから、景気が悪化します。
  • 円高が企業収益を圧迫するのは現実です。つい先日、トヨタ経団連のお偉いさんたちが、『今みたいな円高ではもたない』という発言をしていたはずです。これを知らない人は字が読めないのかもしれません。以下、参考までに。

豊田自工会会長「超円高続けば製造業崩壊する日本経済新聞
 日本自動車工業会の会長に就任した豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は4日の記者会見で「この超円高の状態が続けば日本の製造業は崩壊する」と改めて危機感を表明した。「自動車産業は世界的にみれば成長産業。裾野も広く雇用や技術革新などの大きな担い手だ」と語り、政府の経済・産業政策の中軸に自動車産業の競争力強化を反映させるよう訴えた。
 最近の円高については「この超円高下では理屈で言えば日本でものづくりを続けることはあり得ない」と強調。その上で「もうかればいいという考えで100万台の国内生産を海外に移管したら一瞬にして20万人の雇用が失われる」とし、「自動車産業の影響力の大きさを知っているからこそ、石にすがりついても国内生産を維持している」と話した。

  • 『消費増税で消費を増やそう』というエントリを書いていた人が今度は『日本の消費は増えている』と書いていて、こいつの問題意識はどこにあるんだよと呆れたわけですが、こういうのをブログ脳と言うのでしょう。エントリごとに言を左右しているので自分でも何を言っていたのか忘れてしまい、エントリごとの整合性が取れなくなってしまうという。とにかく詭弁を弄していればよい、とばかりに書き飛ばしていると支離滅裂になるという好例です。
  • デフレが経済活動に影響を及ぼさない、という見方が正しいならインフレも影響を及ぼさないでしょうから、インフレでも良いということになります。