近隣富裕化

【特別対談】高橋洋一vs若田部昌澄(後篇)いま増税路線を採用するのは嵐が来るのに窓を開け放つようなものだ | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

若田部 IMFは為替操作を基本的には認めていない。ただ、これを金融政策としてやれば、為替操作に当たるかどうかという問題を回避できます。ほかの国も全部そうやっている。


 そういうことをすると、よく「近隣窮乏化」という批判を受けます。今でもメディアでは、通貨安競争は大恐慌の時に世界経済を混乱させたとして、悪者扱いされているけれども、最近の大恐慌研究ではそうではない。金融緩和によって通貨を安くした競争は、基本的に悪くなかったというのが結論です。つまり自国が潤うことで、他国にも良い影響が波及した「近隣富裕化」だったという意見すらある。かりに百歩譲って近隣窮乏化だとしても、こちらがそれに参加しないと「自国窮乏化」になってしまいます。結局のところ、我々が貧しくなりたくないのであれば、近隣窮乏化であろうがなかろうが、通貨安競争には参加するしかない。