円高でダメージを受けるのは輸出だけではない。

円高で中小企業がダメージを受けるというニュースが見られますね。
大企業は工場を海外に移すことができますが、中小企業は逃げ場がないのでそのまま廃業するしかなかったりします。ちなみに日本の工場の99%は中小工場です。工場で働く人の7割が中小。
円高で輸出企業が損害をこうむる点についてはよく言及され、「円高を輸入で生かしていけ。」といった意見が見られますけれども、円高で輸入が増えると輸入品と競っている国内企業がダメージを受けます。
また、輸出入と関係ないサービス業の業績も下がります。先に見たとおり、輸出入関係企業に勤める人たちの給料が下がったりリストラされたりするのですから、サービス業のお客さんたちがお金をつかわなくなります。
金融緩和して適正な円安にしておけば、輸出は好調、国内でお金を使う人も増え、サービス業者も潤うのですが、日銀にやる気が全然ないので多くの一般市民が苦しむことになります。
円高でもデフレでも関係のない高給をもらいつづけている公務員やそれに準ずる人たちは一般国民の生活の苦しさを理解できませんし、むしろデフレの方が彼らの給料の価値が上がるので(デフレは物価が下がりお金の価値が上がる現象)、なおさら対処する気が起きないのです。
日本の「公」部門にはほとんど「公」の精神が残っておらず、古代の豪族のように彼らの所属集団の利益ばかりを追求しています。その原資は国民が納めた税金なのですから、古代と変わらぬ収奪が行われているわけですね。