原発推進インチキ論法対処

どんな詐術を使ってでも原発を擁護しようという動きが見られますが面白い心理です。
まず、原発擁護派にはウソをつく人が多い。また、非常に拙速に議論を収束させようとする傾向があり、言う事が極端である。
そのようなことをしてまで原発をかばうメリットが何かあるのでしょうか。
社会的有力者なら従来のカネによる結びつきを維持したいとか、原発擁護の宣伝活動の仕事が増えるとか。
ネット言論人なら極端で変わった発言をすることで「穿ったことを言う人」という注目を浴びることができるとか。
変わったことをいう人を根拠なく評価するのはマスコミでもネットでも変わらないですが、悪いくせです。どういう理由で支持しているのか自分でも説明できないのに、「お、変わった事を言っている。」と評価する傾向は単なる軽薄なのですけれども。
そういう評価傾向をもっていると、目立ちたい人はどんどん極論や奇妙なロジックをふりまわすようになります。
それが社会にどういう影響を及ぼすかなんて知ったことではないのです。社会問題を語る風にみせかけて、実は社会問題には関心がない、それは注目を集めるための道具、ファッションに過ぎないという人は多いです。

脱原発が社会にダメージを与える」型対処

さて本日の傾向と対策。
1. 「脱原発すると生活水準が落ちる。」
⇒根拠を示さないのは基本。まず、原発によって生活水準があがったというデータを出すように求めましょう。
そもそも原発の存在を経済の活性化に結びつける点が根拠薄弱。結びつきが有るという前提で話し始める点が詐術なのです。
もし原発の存在=経済発展なら経済学の存在意義がありません。結論が出ているからです。
実際には日本に54基の原発があっても10年以上デフレです。つまり原発ではない理由で日本の経済は停滞しています。
この詐術のバリエーションとしては「原発をやめると江戸時代なみの生活水準になる。」というもの。根拠なく原発=経済発展とした上に誇張を付け加えることで人々にインパクトと怖れを与え、自説に賛成するよう働きかける手法です。
ショックを受けるので反論をとっさに思いつけない人が多いかもしれませんが、簡単です。「原発をつくりはじめた1960年代の日本は江戸時代の生活水準だったのですか?」で終了。
実際には高度成長の富で原発を造り始めているのですから話が逆なのです。
2. 「脱原発すると人々が大量死する。」
⇒これは1.の発展形で、脅し部分を大幅に強化したパターン。
おそらく生活水準の低下が人々の大量死を招くと主張しているのでしょう。中には「数千万人死ぬ。」と言っている人もあり、「大きく出たな。」と思いますが、やはり基本は「根拠を出せ。」
筋道を説明せずに結論だけ、しかも印象の強い結論をバーンとぶつけてくるのが常套手段です。印象に惑わされないようにしましょう。
この主張は増え続ける世界人口とからめて語られることがあり、そう言われてしまうと「70億人を養うのは大変だな…」とかついつい考えてしまうのですが、よく考えてください。日本の原発は外国に電力を融通していません。日本で原発を維持しても世界の持続可能性には全く寄与しません。
今の日本には原発が数多く存在しますが人口は減り始めています。つまり人口の増減に原発は関係ありません。経済の活性化と同じく、関係ないものを関係あると断言して話を展開させ始めているだけで、やはり詐術です。
日本の人口は減り始めているのに、原発を更に増設しようとしているのですから余計に整合性がありません。
3. 「放射性廃棄物より二酸化炭素の方が有害、深刻。」
⇒人間が出す二酸化炭素は自然由来のものと比べると圧倒的に少なく、1%〜4%程度と言われます。以前のエントリ(運任せの原発・・・ - Maddercloud)の動画は長いですがご覧になっていただけると根拠が語られています。
人間が出す二酸化炭素と自然由来の二酸化炭素を合わせると膨大な量が出ているように思われますが、それでも二酸化炭素は大気中の0.04%に過ぎません。パーセントであることに注意してください。
0.04%×1%〜4%の二酸化炭素地球温暖化につながっているという主張には説得力を感じません。また、上記動画にも出てきますが地球温暖化理論に合致した温暖化の観測データも出ていません。
そして教科書レベルの日本史を覚えている人なら誰でも「縄文時代は今より暖かかった。」という内容を知っていると思います。それでもシロクマや人類は平気で生き延びています。